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2021年06月04日 08:34 更新

授乳中にお寿司は食べていい?避けた方がいいネタは?【管理栄養士監修】

産後、お寿司を食べる機会は多いかと思います。普段の食事のほか、日本人の場合はお祝いやイベントの際、食卓にお寿司が並ぶことも少なくないでしょう。でも、授乳中は食事に気をつけなければいけないことを考えると「お寿司は大丈夫?」とちょっと心配になることも。今回は授乳中のお寿司について解説します。

授乳中だけど、お寿司は食べても大丈夫?

お寿司とお醤油

「これって母乳を飲ませている時期でも食べていいのかな?」と疑問に思うお母さんも少なくないようです。それは普段から食生活に気をつけている証ですね。でも、意外と授乳中にとってはいけない飲食物は限られているのです。

お寿司は食べてOK!

「授乳中にお寿司を食べていいか」という疑問に対しての答えは「YES」です。

寿司店のメニューを見ると、お漬物、生ハム、天ぷら、コーンに焼肉と、そのバリエーションの豊かさに驚いてしまいますが、メインは何と言っても魚介類のネタでしょう。日本での魚介類の消費量は年々下がり続けていますが、お寿司でおいしく食べられるのであれば、それは喜ばしいことでしょう。

たんぱく質や必須脂肪酸が豊富

お寿司を食べるママ

魚介類をネタにしたお寿司では、授乳中に積極的に摂取したい良質なたんぱく質や必須脂肪酸(DHA、EPA)が豊富に含まれています。また、特に女性は不足しがちな鉄も赤身魚などで摂ることができます。

主食と主菜が一度にとれる

バランスのとれたお寿司の食事

お寿司は主食と主菜を一緒に摂れるメニューです。育児に手いっぱいで自分の食事がおろそかになってしまうことも少なくありませんが、授乳中はバランスよく普段よりも多めにエネルギーや栄養を摂る必要があります。

バランスがいい食事と言われてもピンとこないかもしれませんが、エネルギー源となるご飯などの「主食」、不足しがちなビタミン・ミネラル源となる野菜・いもなどの「副菜」、体の構成に必要なたんぱく質源である肉・魚・卵などの「主菜」の3つを揃え、それに乳製品や果物を加えると理想的なバランスをとることができます[*1]。

1日に2回以上、主食・主菜・副菜の3つを揃えることが理想とされていますが、魚介類や玉子をネタにしたお寿司の場合は主食と主菜の両方が一度にとれます。これにほうれん草のおひたしと具だくさんの味噌汁をつけるなどすれば、1食としてはバランスがとれるでしょう。

授乳中に避けた方がいいネタはある?

妊娠中は水銀を心配して本マグロやキンメダイなどの摂取量に気をつてけいたことでしょう。また、リステリアによる食中毒にかからないように、スモークサーモンや生ハムなどを避けるなどした経験から、「授乳中も気をつけなければいけない?」と思ってしまうかもしれません。実際、これらのリスクはどうなのでしょうか。

水銀に関しては心配なし

授乳中の赤ちゃんとママ

妊娠中はお母さんが摂取した水銀が胎盤を通じて胎児に移行してしまうため、水銀を多く含む魚介類に注意が必要です。しかし、母乳を通じて赤ちゃんが摂取する水銀の量は大変少ないため、授乳中に関しては食べる魚介類の種類や量に制限は設けられていません[*2]。

お寿司などでもとることができる魚介類は、授乳中に必要な栄養素が豊富です。また、通常の食事で体内に入る量は健康に影響を与えない程度で、しばらくすれば体外に排出されます(2ヶ月で半分に減る)[*3]。いろいろな魚をおいしくたべたいですね。

生ハムやスモークサーモンも問題ない

スモークサーモンの寿司

最近では、単なる魚の刺身ではない生ハムやスモークサーモンなど趣向を凝らしたネタも多く見かけます。これらの食品はリステリア感染症のリスクがあり、妊娠中は感染しやすく胎児への影響を与える可能性があるため、妊婦は避けるべきとされています。

一方、健康な授乳中のお母さんであればリステリア症の発症リスクはとても低いとされています[*4]。積極的にたくさん摂る必要はありませんが、楽しむ分には問題ない食品です。

鮮度や保存方法に注意

テイクアウト寿司

授乳中だからといって避けた方がいいお寿司のネタは特にありませんが、授乳の有無にかかわらず、生ものを食べる場合は鮮度や保存方法には気をつけましょう。

生の魚介類を食べる上で心配なのが、腸炎ビブリオやアニサキスによる食中毒です。これらに感染しても即母乳に影響することはありませんが、授乳期間中はただでさえ睡眠不足や疲労感を日常的に抱えているお母さんが多いものです。そこへ食中毒で体調を崩すようなことは避けたいですね。

最近では、お寿司のデリバリーやテイクアウトを利用するご家庭も多いかと思います。「夕飯に食べるまでだから」と室温で放置せず、必ず冷蔵保存してなるべく速やかに(遅くともその日のうちに)消費しましょう。

まとめ

食卓のお寿司

普段、家庭で魚料理をしようとするとなかなか面倒なものです。そんなとき、手軽に魚とご飯が一緒に食べられるお寿司は便利ですね。妊娠中に気をつけなければいけなかった水銀やリステリア菌に関してはさほど心配はいりません。購入したお寿司を新鮮なうちに食べて、魚介類に含まれる栄養をしっかり摂りましょう!

(文:マイナビ子育て編集部/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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