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2021年01月09日 15:16 更新

【医師監修】基礎体温で何がわかるの? 見方を分かりやすく解説

妊娠を望む女性にとって、妊娠する可能性が高い排卵日を知ることはとても重要なことです。排卵日などを知るための手段として知られている「基礎体温」について、意外と詳しく知らない人もいるかもしれません。そこで今回は、排卵日だけではなく女性の体に起こっている変化などもわかる「基礎体温」をわかりやすく紹介していきます。

基礎体温ってどんなもの?

基礎体温をつけたグラフの見方のイメージ
Lazy dummy

※画像はイメージです

妊娠を考えたとき、また日頃の健康管理や生理サイクルを確認する目的で、基礎体温を測っている女性も多いと思いますが、聞いたことはあってもどういうものなのか詳しく知らない女性もいるのでは。そもそも基礎体温とは一体何なのでしょう。

基礎体温とは

基礎体温は、「起床直後で体を動かす前の時間(もっとも安静な体の状態)の体温」を示します。

なお、基礎体温を測るときには、外気温や汗などの影響を受けたり、左右差のあるワキの下での測定は適していません。なぜなら、女性ホルモンが引き起こす温度の微妙な変化を知るために、より正確な体温を測定する必要があるからです。

基礎体温は「口の中(舌下)」で測りますが、舌の下の一番奥に体温計の先が当たるように差し入れ、口をしっかり閉じることで体内の温度に近い数値を安定して測定できます。

基礎体温で何がわかるの?

基礎体温をつけることで、女性の排卵日をある程度予測することができます。つまり、妊娠しやすいタイミング、排卵が正常に行われているかの確認をすることができます。

また、妊娠の維持に大切な黄体機能(排卵後、卵巣の中にできる黄体が主に黄体ホルモンを分泌する力)を推定したり、妊娠を早期に知る手がかりを得ることもできます(もちろん基礎体温だけで妊娠が確定するわけではありません)。

基礎体温の見方

基礎体温の変化を見れば、妊娠しやすい時期やおおよその排卵予定日が分かりますが、体温の変化とともに体や心にも変化は現れるのでしょうか。また、高温相と低温相の違いにはどんなことがあるのかが気になりませんか?

自分の体の状態を知ることは非常に大切なことです。あらかじめ、自分の基礎体温とその体温のときに心と体に起こりやすい変化を知っていれば、問題にも対処しやすくなるでしょう。

基礎体温の基本的な変化

基礎体温を記録すると、低温相と高温相の二段階に分かれるグラフが確認できるのが理想です。基礎体温は、生理周期が28日の人の場合(※)は、生理時から2週間ほどの期間が「低温相」、およそ15~28日目までが「高温相」となり、排卵日を境に体温が0.3~0.6度程度上昇します。

また、同じく生理周期が28日の人の場合は、生理の開始日~14日目までは卵胞期、15~28日目までは黄体期、卵胞期と黄体期の境(14~15日目)は排卵期と呼ばれ、生理周期ごとにこのサイクルを繰り返しています。なお、基礎体温上は、卵胞期が低温相、黄体期が高温相としてグラフで確認できるということになります。

継続して基礎体温を記録し、低体温・高体温の差が約0.3℃以上となるタイミング(排卵期)の有無と、その時の体温差を把握しておくことが大切です。

※生理周期は個人差があります

高温相(黄体期)とは

黄体期と呼ばれる高温相は、生理前のおよそ2週間のことを指し、黄体ホルモンが盛んに分泌される時期です。

この時期になると「イライラする」、「なんとなく頭が痛い」、「胸が張って体がむくみやすくなる」といった体の変化を感じることが多いようです。

この時期はホルモン分泌の変化で、体と心に変化が生じやすくなります。気分が落ち込んでしまったり、いつもなら笑って過ごせるような冗談にイラついてしまったりといった経験をしたことがある女性も少なくないでしょう。もしかするとそれは黄体期と関係があるのかもしれません。

高温相は14日間ほど続き、体温が急激に下がって低温相になるとすぐ生理が始まります。もし、この高温相が10日以内(極端に短い)の場合には、黄体機能不全という病気の場合があります。

定期的に生理があっても、このように低温相と高温相の時間的バランスがきちんと整っていないと妊娠しにくいこともあるので、低温相、高温相の長さもチェックしておくようにしましょう。

低温相(卵胞期)とは

低温相は、生理が始まってから排卵が起こるまでの期間をいいます。高温相がないまま低温相が続く場合は、排卵が起こっていない「無排卵」の状態であることが想定されます。

無排卵だと妊娠できませんし、体の不調にもつながりますので、基礎体温表を持参のうえ、医療機関を受診しましょう。さらにくわしい検査を行い、ホルモン剤などにより治療することもあります。

まとめ

妊娠を望む女性にとって、まず一番に確認したいのは自分の基礎体温パターンです。基礎体温を計測することが、妊娠のための体作りの基本となります。

また基礎体温を測ってみて、何か変だと思うような心配事があれば、基礎体温表を持参して医師に相談をし、必要なアドバイスや治療を受けることをおすすめします。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2020.03.04)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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