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【医師監修】妊娠初期に気をつけること 体の状態・食事・過ごし方

【医師監修】妊娠初期に気をつけること 体の状態・食事・過ごし方

妊娠初期とは、妊娠4カ月までのこと。週数では妊娠0週~15週にあたり、妊娠が始まって赤ちゃんの身体が形成されていく大事な時期です。この時期、赤ちゃんや母体はどのようになっているのでしょうか? 生活において注意しておきたいこととは? 妊娠初期の過ごし方についてまとめました。


この記事の監修ドクター
的野ウィメンズクリニック 的野博院長
北里大学医学部卒業、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、的野ウィメンズクリニックを開院。妊娠・婦人科検診はもちろん、生理痛、生理不順、更年期障害などのお悩みや、風邪をひいた、などのちょっとした身体の不安も安心して気軽にご相談いただける、女性のためのホームドクターを目指しています。
https://www.matono-womens.com/

妊娠初期ってどんな状態?

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※画像はイメージです

妊娠初期(妊娠0週0日)は、最終月経が始まった日から始まります。ここでは、妊娠初期の週数ごとの赤ちゃんとママの状態についてご紹介します。

妊娠1カ月の赤ちゃんとママの状態

妊娠1カ月は、週数で言えば、0~3週目で、「排卵」「受精」「着床」が行われる時期となります。

赤ちゃんは、1週目には卵子のもとになる卵胞が発育中の段階であるため、まだ存在しないことになります。1週目の終わりから2週目のはじめに排卵が起こり、排卵した卵子と精子が出会って受精卵となります。そして細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動し、3週目に子宮内膜に着床します。この時期はまだ人間の形をしていません。そのため、妊娠1カ月の段階では、赤ちゃんのことを「胎児」ではなく「胎芽」と呼びます。

妊娠が成立するのは妊娠1カ月の中でも3週頃とほぼ終わりの時期であるため、ママはまだ妊娠の自覚がほとんどないものです。しかし、妊娠が成立することにより、女性の体の中ではhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といったホルモンがたくさん出てくるため、次の月経予定の時期あたりに、体調の変化に気がつく人もいるようです。

その時の体調の変化としてありがちなのは、やたらと眠い、あくびがとまらない、なんとなくだるい、熱っぽいなど。

■妊娠2カ月の赤ちゃんとママの状態

妊娠2カ月は、週数では4~7週目。この時期は、来るはずの月経が1週間以上来ないことで、ママが妊娠に気付くケースが多いようです。また、超音波検査(エコー検査)によって妊娠の確認や赤ちゃんの様子を見られるようになります。

この時期の赤ちゃんは、胎嚢(たいのう)という袋に入っている状態となっており、超音波検査ではこの胎嚢が黒い状態で見えます。胎嚢に入っている赤ちゃんは、4週まで胎嚢の中にある卵黄嚢(らんおうのう)から栄養をもらって成長します。

6週頃になると、赤ちゃんの心臓の動き(心拍)が確認できるようになるでしょう。7週目に入る頃の赤ちゃんは、少しずつ頭部と胴体が区別できるように見えてきます。この時はまだ2頭身ですが、手や足はもちろん、主要な臓器の原型もできています。


妊娠2カ月頃のママは基礎体温が高い状態が続くほか、ホルモンの影響でだるさや眠気を感じたり、乳房が張るといった妊娠の兆候があらわれてきます。5~6週頃からは、つわりが始まる人もいるでしょう。

妊娠3カ月の赤ちゃんとママの状態

妊娠3カ月は、週数でいうと8~11週目にあたります。まだお腹がふくらんできた実感がないことがほとんどです。

赤ちゃんは、胎芽から胎児となります。身体は3頭身ほどになり、頭と胴、手足の区別もはっきりしてきます。水かきのように指同士がくっついている状態だった手足も、指がきちんと分かれてきます。目にはまぶた、耳には耳たぶ、口には唇、鼻には鼻の穴ができます。下あごや頬も発達し、人間らしい顔つきになります。

妊娠3カ月末頃のママの子宮は、手掌大ほどの大きさになります。また、妊娠3カ月は、つわりがピークになる時期でもあります。つわりには個人差があるので、特に気にならない程度であるという人もいれば、かなり重い人もいます。

つわりの原因については、hCGの影響や母体が胎児を異物と感じることによるアレルギー反応、ホルモンバランスの急激な変化による自律神経の乱れなど、さまざまな説がありますが、実際にははっきりとわかっていません。

妊娠4カ月の赤ちゃんとママの状態

妊娠4カ月は、12~15週目。胎盤(たいばん)がほぼ完成します。

赤ちゃんは胎盤が完成したことにより、へその緒を通じてママから酸素や栄養を受け取るようになります。体内では各器官の形成期が終わり、内臓の基本的な形が完成し、徐々に機能し始めます。ママが胎動を感じるのはまだ先ですが、赤ちゃんは手足の筋肉が発達してきたので、羊水の中でクルクル回ったり、脚をパタつかせたりするなど、活発に動くようになってきます。

妊娠4カ月頃のママの身体は、外から見てもお腹のふくらみがわかってきます。15週末には、子宮も7~15cm程度(子宮底長)に(子どもの頭ぐらいの大きさ)になります。この時期には、つわりが軽くなったり解消されたりするママも多いようです。

妊娠初期の食事で気をつけること

妊娠初期から、赤ちゃんはママの食事から栄養を取り入れるようになります。そうなると、やはりこの段階から食事には気をつけたいところですよね。次は、妊娠初期の食事での心がけについてご紹介します。

食べ過ぎに注意

妊娠中、全期にわたっていえることですが、気を付けておきたいのが、体重管理。「妊娠中にはたくさん食べなければならない」という考えもありますが、体重が増え過ぎてしまうと、妊娠性高血圧症候群や妊娠糖尿病、難産のリスクなどが高まります。つわりが落ち着いてくると、食欲が出てくるようになると思いますが、食べ過ぎには注意しておきたいところです。

つわり時期は食べられるものは何でも食べる

つわりが始まると、バランスの良い食事どころか食べることさえ十分にできなくなることもあります。でも、この時期はまだ赤ちゃんがとても小さいので、それほど栄養のことを心配する必要はありません。水分だけはきちんととり、フルーツ、お菓子、ゼリーなど、何でも良いので、食べられるものを食べたいときに食べるようにします。

葉酸を積極的に摂る

葉酸はビタミンB複合体の1つで、細胞の増殖に必要なDNAの合成に関与する栄養素です。妊娠初期は、赤ちゃんの細胞分裂が活発に行われるので、この時期に葉酸が不足すると、神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症)という先天異常を発症するリスクが高まります。このため、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性は、妊娠の1カ月以上前~妊娠3カ月までの間は、通常の食事からの葉酸摂取に加えて、1日400μgの「モノグルタミン酸型の葉酸」を摂取することが推奨されています[1]。

妊娠初期に避けたい食材

・クロマグロやメカジキ、キンメダイなどの大型回遊魚……赤ちゃんの中枢神経に影響を与える可能性があるメチル水銀が比較的多く含まれているため、妊娠中の過剰摂取は避けた方が良いとされています。週に1回までの頻度で1回80gまでを目安としましょう。

・レバーやうなぎ……レバーやうなぎに多く含まれる動物性ビタミンA(レチノール)を妊娠初期に過剰に摂りすぎると、赤ちゃんに奇形が起こるリスクが高まると推定されています。妊娠中(妊娠初期)の1日のビタミンAの摂取推奨量は、18~29歳が650μg、30~49歳が700μgなので、この量を超えないように注意しましょう[2]。

・ひじき……ひじきには、発ガンリスクが指摘されている無機ヒ素が含まれているため、英国食品規格局が2004年に摂取しないよう勧告しました。しかし厚生労働省の調査によると、体重50kgの人が1日に4.7g以上を継続的に摂取しない限り、無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)を超えることはないそうです(平成14年度の国民栄養調査を元に厚生労働省が換算した日本人の1日あたりのヒジキの摂取量は約0.9gです)。このため、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスの良い食生活を心がけたうえで副菜として適量に食べるのであれば、健康上のリスクが高まることはないそうです[3]。

妊娠初期の薬の服用について

妊娠に気づかない人も多い妊娠初期だからこそ、知っておきたい薬の服用リスク。妊娠初期に薬を服用した場合、赤ちゃんに奇形などの影響はあるのでしょうか? 妊娠初期の薬の服用のリスクについてまとめました。

妊娠初期の服薬のリスクとは

妊娠初期の中で、奇形を起こすリスクがもっとも高いと考えられるのは、赤ちゃんにとって重要な器官がつくられる妊娠4~7週までの期間。この時期には、ママが妊娠にまだ気づいていないケースも多いので、特に注意が必要です。

それ以前の妊娠4週までの期間は、まだ赤ちゃん器官形成が始まっていないので、薬が影響したとしても、受精卵の段階で着床できないか流産してしまうかのいずれかに終わります。ただし、薬によっては残留性を持つものもあるので、やはり注意が必要です。

妊娠8週目以降になると、赤ちゃんの重要な器管の形成がすでに終わっているため、奇形が起きるリスクはやや低下すると考えられます。しかし、まだ形成され続けている部分もあるので、油断は禁物です。

持病がある人は要注意

市販薬に関しても赤ちゃんへの悪影響につながるような薬がありますので、主治医に相談してから服用してください。また、抗がん剤、抗高脂血症薬、降圧剤などといった持病のある人が服用する薬に関してはリスクの高いものが多いので、主治医から、その必要性と危険について、十分説明を聞いてください。自己判断で薬の服用をしてはいけません。

持病で薬を服用している人が、妊娠したからといって勝手に薬の服用を中断するのは非常に危険です。できるだけ早めに医師に相談し、赤ちゃんに影響しない薬に変えてもらうなどの対処をしましょう。

薬を服用してしまったときは

「妊娠に気が付かないで薬を服用してしまった」という人もいるかもしれませんが、心配な場合は、医師に相談してみると良いでしょう。

妊娠初期の出血・腹痛にも注意

妊娠初期には、出血や腹痛が起こる場合があります。これらは、妊娠特有の症状として見られるものですが、トラブルの兆候である可能性も考えられます。気になったら、すぐに受診してください。

妊娠初期の出血で考えられること

妊娠初期に出血が起こる原因は、流産や切迫流産などが考えられます。出血の仕方には個人差があるため、自分では心配な出血かどうか判断しづらいものです。そのため、少量でも出血が見られる場合には病院を受診するようにしましょう。

妊娠初期の危険な腹痛とは

妊娠初期には、子宮が大きくなるに連れて、子宮の筋肉が伸びたり、子宮を支える靭帯が引っ張られたりするため、下腹部や脚のつけ根に痛みを感じることがあります。しかし、痛みがどんどん強くなったり、強い痛みが継続したり、出血をともなうような場合は、流産や切迫流産、子宮外妊娠が疑われます。

まとめ

妊娠初期は、妊娠に初めて気が付く時期でもあり、そのタイミングも人それぞれ。しかし、この段階で赤ちゃんの健康のために気を付けておきたいことがたくさんあります。妊娠がわかった人だけでなく、妊娠の可能性がある人も、これらのことを意識しながら過ごすのが望ましいのかもしれません。

[1]独立行政法人 国民生活センター報道発表資料 
胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 P3
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110526_1.pdf

[2]内閣府 食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響」P6 
https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-vitamin-a.pdf

[3]厚生労働省「ヒジキ中のヒ素に関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/07/tp0730-1.html

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.11)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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