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2021年05月31日 12:30 更新

【医師監修】生理前のオリモノは透明で伸びる? 特徴や妊娠初期との違いは?

もうすぐ生理予定日というころ、「オリモノに変化」があったら気になりますね。それが妊活中であればなおさらです。生理前のオリモノには特徴があるのでしょうか。また、妊娠していた場合、オリモノに何か変化はあるのでしょうか。詳しく解説します。

生理前はどう変化する?時期別オリモノの特徴

お腹を触る女性

オリモノは「帯下(たいげ)」ともいい、腟や子宮、子宮頸管などから出る分泌物がメインとなった粘液です。オリモノには腟内のうるおいを保ったり、腟内を酸性にして雑菌の侵入を防いだりする役割があります。また、精子が腟から移動し卵子と受精する際の助けにもなります。ですから、多少のオリモノが出るのは自然なことです。

正常なオリモノは透明に近いか少し白濁していて、下着などについて乾くとうす黄色に見えることもありますが、生理周期に従って、量や質感などが変化していきます。時期によってどのような特徴があるのかみていきましょう。

生理前のオリモノの特徴

生理前のオリモノは、やや不透明で量は少なめ、粘り気が強く糸は引かない質感です。また、生理が近づくにつれて量は減っていき、生理直前にはもっとも少なくなります。

なお、生理前は、排卵後の「黄体期」に当たります。「黄体」とは卵子が排卵された後に卵巣にできる袋状の器官で、プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンを分泌する機能があります。黄体期はとくにプロゲステロンの分泌量が増減する特徴がありますが、生理前のオリモノの変化はこの「プロゲステロン」の影響で起こります。

ホルモンとオリモノの変化のイメージ
ホルモンとおりものの変化のイメージ

生理直後のオリモノの特徴

生理が終わるとだいたい2、3日後からまたオリモノが出始めます。このころのオリモノは比較的サラサラした質感で、最初は少量ですが日が経つにつれてだんだん増えていきます。

なお、排卵前までのこの期間は「卵胞期」と呼ばれていて、卵巣で排卵の準備が進む時期です。

排卵期のオリモノの特徴

次の生理が始まる2週間ほど前には、卵巣から卵子が「排卵」されます。それまで徐々に増えていたオリモノの量は排卵期にピークとなり、無色透明でよく伸びる質感のオリモノが多めに出るようになります。

このようなオリモノの変化は、排卵直前に分泌量がもっとも増える「エストロゲン」の影響で起こると言われています。排卵期が終わると黄体期にまた戻ります。

生理周期とおりものの量のイメージ
生理周期とオリモノの量のイメージ

オリモノには生理周期の中で時期ごとに、おおむねここまでで解説したような変化がみられるとされています。ただし、オリモノはもともと個人差が大きく、生理周期の中での変化がはっきりと現れない人もいるので、ここで解説した変化があまりよくわからなくても心配はいりません。

透明で伸びるオリモノは何のサイン?

ナプキン

さて、トイレやお風呂場にいるとき、透明でよく伸びるオリモノに気づくこともありますよね。こういったオリモノはなぜ分泌されるのでしょうか。

透明で伸びるオリモノは排卵期によくある

透明で伸びるオリモノは、さきほど解説したとおり、排卵期によくみられます。

排卵は、卵胞期に成熟した卵胞の中から卵子が放出されることで起こります。これが起こるためには、卵胞期にエストロゲンがきちんと分泌されることが必要です。エストロゲンが一定以上分泌されると、それがきっかけとなって排卵が起こるからです。また、エストロゲンによってオリモノは「透明でよく伸びる」状態に変化します。

排卵期のオリモノには、透明でよく伸びる以外にも「量が多い」という特徴がありますが、これは、排卵期になると子宮頸管からの分泌液の質と量がこのように変化するからです。よく伸びるオリモノが多量にあると精子は腟内を進みやすくなり、排卵された卵子と受精しやすくなります。

つまり、透明でよく伸びるオリモノが出ているということは、「体が妊娠しやすい状態になっている」というサインなのです。

妊娠初期のオリモノも透明で伸びる?

生理前のオリモノが透明で伸びる質感になったとき、妊娠している可能性はあるのでしょうか。

ここまでで、オリモノの変化には女性ホルモンの影響があることを説明してきました。通常、排卵後には女性ホルモンの分泌量はいずれも減っていきますが、妊娠した場合はこれらのホルモンが妊娠の維持に必要なので、むしろ右肩上がりに増えていきます。

とくにエストロゲンの分泌が増える影響で、妊娠するとオリモノは増える傾向にあると言われています。そのため、普段なら生理までに減っていくはずのおりものが減らなかったり、むしろ増えたと感じたりする場合もあります。

また、オリモノが透明でよく伸びる状態に変化するのもエストロゲンの影響なので、妊娠初期にこうした変化が見られても不思議ではありません。

とはいえ、もともとオリモノの量や質感は個人差が大きく、妊娠したらこうした変化が必ず見られるというわけではありません。

オリモノは体の変化のサイン

仕事に追われる女性

オリモノは「健康のバロメーター」と言われることがあります。それは、ここまでで説明した生理周期による変動以外にも体調に応じた変化が見られるからです。

ストレスや疲れでもオリモノは変わる

ストレスや疲れでもオリモノの状態は変化する可能性があります。それは、女性ホルモンの分泌をコントロールしている「脳の視床下部」はストレスに弱いから。ストレスによって女性ホルモンの分泌が乱れると、それによってオリモノも変化することがあります。

プレッシャーを感じた時にはオリモノは増えることがあるようです。また、抗生物質など服用している薬の影響で分泌量が増えることもあります。いずれもしばらくして通常通りに落ち着くようであれば心配ありません。

こんなオリモノの変化には注意

ただし、オリモノの変化の中には注意したほうが良いものもあります。

・白く、カッテージチーズのようにボロボロしている

・黄色や緑色

・茶褐色や赤っぽい色

・泡状や膿みのような状態

・水っぽくて流れ出るくらい大量

・悪臭がする


こうしたオリモノが続くとき、また腟や外陰部のかゆみや痛み、腹痛を伴う場合には、病気が原因のことがあるので自己判断せず早めに受診しましょう。

まとめ

女性 体育座り

生理周期の中でみられるオリモノの変化と、透明でよく伸びるオリモノが出やすい時期、妊娠との関係などについて解説しました。オリモノの量や質感はもともと個人差が大きく、ここで説明した変化はすべての女性に見られるというものではありませんが、生理周期に伴う変化の傾向を覚えておけば自身の体調を振り返るきっかけになるでしょう。妊活中に限らず、体調のバロメーターとして、時々オリモノの状態に注目する習慣が付けられると良いですね。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪麻由美先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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