妊婦も蕎麦を食べて大丈夫!妊娠中の蕎麦のメリット【管理栄養士監修】
「蕎麦(そば)のアレルギーは怖い」というイメージから、蕎麦を食べることが不安になるかもしれませんが、妊婦も蕎麦を食べて大丈夫! 食生活に取り入れたい場合のポイントについて解説します。
妊婦も蕎麦を食べて大丈夫!妊娠中の蕎麦のメリット
妊娠中もぜひ蕎麦を楽しんでくださいね。蕎麦のメリットを解説します。
つわり時でも食べやすい
つわりの時にはなかなか食欲がわかない人も多いですが、麺類はつるっとしていて食べやすいことがあります。また、食事のにおいで気分が悪くなる場合、ざるそばなど冷えた状態だとにおいが立ち昇らず食べやすいこともあるかもしれませんよ。
蕎麦の食物繊維が便秘予防につながる
ホルモン分泌の変化や子宮が大きくなるなどの影響から、妊娠中は便秘になりやすくなっています。便秘の予防・改善には食物繊維を多く含む食品の摂取が効果的です。
蕎麦の食物繊維量はうどんやそうめんの約2倍です[*1]。 外食などでうどんか蕎麦かを選べることも多いですが、蕎麦の方が食物繊維の摂取が期待できます
妊娠中におすすめの食べ方・レシピ
蕎麦のおすすめの食べ方をご紹介します。
食感がよく食べやすい「とろろそば」「納豆そば」
とろろや納豆の粘りでずるっと食べやすくなります。粘りがあることで口の中をゆっくり通るので、味をしっかり感じることができ、満足感を得やすいのでおすすめです。
とろろは最近すりおろしたものが冷凍されて売られています。調理時間が短くて済むことも嬉しいポイントです。納豆やとろろに醤油や濃縮タイプの麺つゆを小さじ2ほど混ぜて、それを麺に混ぜて食べると麺に味が絡んでおいしいですよ。
食物繊維豊富で低カロリー「山菜そば」「きのこそば」
温かい蕎麦に山菜やきのこを合わせることで、満足感が得られ、便秘予防に摂りたい食物繊維も補給できますよ。たくさん食べたいけれどカロリーが気になる、という場合は試してみてくださいね。
野菜が摂れる「けんちんそば」「野菜そば」
麺類主体の食事は野菜が不足しがちですが、蕎麦のかけつゆと一緒に加熱することで多くの野菜を摂ることができますよ。食事バランス向上のために、葉物野菜などを組み合わせてみてくださいね。
妊娠中に蕎麦を食べるときの注意点
妊婦さんが蕎麦を食べるときの注意点をご紹介します。
食べやすい分食べすぎに注意
蕎麦はつるっと食べられることが魅力である反面、満腹感が得られにくく食べすぎてしまうこともあります。体重の増え方が心配な場合には、1人前以上食べすぎないように注意しましょう。紹介した山菜そばやきのこそばは、咀嚼を促し満腹感も得られやすいのでおすすめですよ。
麺つゆは塩分が多いので控えめに
かけつゆやつけつゆに使う麺つゆには塩分が多いです。
妊娠中はむくみやすく、塩分の摂りすぎはむくみを悪化させる原因ともなるので、かけつゆやつけつゆは飲まずにそのまま残すようにした方が良いでしょう。
妊娠中の蕎麦に関するよくある疑問
蕎麦とアレルギーについて言えることをお伝えします。
妊娠中に蕎麦を食べると赤ちゃんがアレルギーになるって本当?
妊娠中に蕎麦を食べると赤ちゃんがアレルギーになるかどうかは、現時点で科学的に解明されておらず、わかりません。しかしながら、アレルギー予防のために母親が特定の食物を避けることは栄養のアンバランスに繋がるため、推奨されていません[*2]。
蕎麦に限らずあらゆる食品を同じように考えることは困難ですよね。明確な根拠はないため、心配しすぎず、食べたいと思ったら食べてみてくださいね。
授乳中も蕎麦を食べて大丈夫?
授乳中の考え方についても、妊娠中と同じ考え方となります。母乳中にアレルゲンは極微量移行することはわかっていますが、それがアレルギー発症に直接影響があるとは現時点で考えられていません[*2]。
赤ちゃんのアレルギーのことで気になることがあれば、自己判断せずに医師に相談しましょう。
まとめ
蕎麦のアレルギーは怖いものだと認知されており、お腹に赤ちゃんがいる妊娠中は何かと不安になってしまいますが、心配しすぎる必要はありません。妊娠中の食事として考えるとメリットもありますので、上手に食生活に取り入れて、楽しんでみてくださいね。
(文:奥野由 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)第2章(データ)
[*2]難治性疾患等政策研究事業厚生労働科学研究費補助金,国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター. 「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017」, 日付なし, 36.
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます