【医師監修】妊娠3週の体の状態は? 見直すべき生活習慣はある?

【医師監修】妊娠3週の体の状態は? 見直すべき生活習慣はある?

前回の生理(月経)から3週後は週数で言うと妊娠3週に当たるころ。医学用語ではありませんが、一般にこのころまでのことは「妊娠超初期」と呼ばれています。妊娠が成立するタイミングで、お腹の中では劇的な変化が起きています。赤ちゃんを授かったかどうかの判定が難しい時期ですが、このときだからこそ準備してほしいことをご説明します。


妊娠3週ってどんな時期?

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妊娠が成立するタイミング

そもそも、どうなってみて初めて「妊娠した」と言えるのでしょうか。実は、「妊娠」は受精卵が子宮内膜に「着床」して初めて成立するものなのです。この着床が妊娠3週ごろ起こるので、妊娠3週はまさに「妊娠した!」という決定的なとき。

ただ、ここで疑問が。「妊娠~週」というからには、「妊娠成立したときが妊娠0週では?」と思いますよね。実は、妊娠週数の数え方は、最後の生理があった初日を「満0日」として数え、満0~6日を「満0週」とする、というように世界保健機関(WHO)により定義されているのです。

ですから、妊娠が成立したときなのに「妊娠3週」と呼ぶことになるのです。ちなみに、分娩予定日は「妊娠40週0日」となります。

妊娠のサイン(兆候)は?

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この時期は、お母さんの体に明確な妊娠のサインが現れることはありません。しかし、「これってそうなのかな?」「ひょっとして?」と感じることも。妊娠しているかどうかの目安として利用できる方法に、妊娠検査薬と基礎体温があります。まずはこれらについてみていきましょう。

妊娠検査薬は反応する?

医療機関に行く前の、妊娠の可能性を知る方法としてほとんどの人が思い浮かべるのが、市販されている妊娠検査薬ではないでしょうか。これは尿中に、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という物質が一定以上の濃度であれば、陽性となる検査で、hCGは、受精卵が着床するとできる胎盤絨毛細胞から分泌されるホルモンです。

このホルモンは通常、妊娠していないときや男性では産生されないものなので、薬が反応して「陽性」を示した場合、妊娠した可能性が高いということになります。

注意してほしいのが、妊娠検査薬で陽性になったからといって、正常な妊娠が確定したことにはならないことです。妊娠とは、受精卵が子宮に正常に着床することで始まりますが、これは医療機関で超音波検査を受けないと調べることができないのです。

そのため、妊娠検査薬で陽性反応が出たら産婦人科を早めに受診することが大切です。

なお、妊娠検査薬には大きく2種類あり、通常の妊娠検査薬は妊娠5週(妊娠していなかったら生理開始となる日の1週間後)から、より感度の高い早期妊娠検査薬は妊娠4週から使用可能とされています。つまり、妊娠3週ではどちらの妊娠検査薬も反応しません。ワクワクする気持ちを抑えて、もう少し待ってから検査してみましょう。

基礎体温は高温相が続く

すでに何回か基礎体温をつけていて、自分の傾向を把握している人は、基礎体温の変化によって 妊娠の可能性が高いかどうか推測できる場合があります。

普段から、体温の低い時期(低温相)と高い時期(高温相)が分かれている人は、低温相より0.3℃以上体温の高い日が続く高温相の日が17日以上 続いている場合、妊娠の可能性が高いといえます。

体温が高温相となるのは、排卵後に卵巣に残される黄体から分泌されるプロゲステロンの働きによります。妊娠していなければ、生理周期が28日の場合、高温相は約14日間 続きます が、それは黄体の寿命がほぼ14日だからです。

黄体が消えるとプロゲステロンはあまり分泌されなくなるので低温相となります 。妊娠していると黄体が妊娠黄体となり、プロゲステロンが分泌され続けるので、高温相が17日以上続きます[*1] 。

ただ、この方法は普段から体温が高温相と低温相に分かれていない人では、高温期がどのくらい継続しているのか判別するのが難しく、基礎体温から妊娠の可能性を推測するのは難しいでしょう。

妊娠3週に起こる体の変化

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妊娠の正式な始まりは、着床からです。着床の起こる妊娠3週ごろ、外からは目に見えてわかるような体の変化はありませんが、お母さんのお腹の中では、受精卵が着床に向かって劇的に変化しています。

着床について

妊娠は、着床によって成立します。卵管の中で受精した受精卵が子宮に向かう間に細胞分裂を繰り返し、受精後4~6日で「胚盤胞」となります。胚盤胞は透明帯という膜に覆われていますが、それを破って、子宮内膜にくっつくと、着床の開始となります。

その後、数日で胚盤胞は子宮内膜に完全に潜り込み、着床が完了します。

外からうかがい知ることはできませんが、妊娠3週のころ、子宮のなかではこんな小さくて大きな変化が起こっているのです。

妊娠初期の出血について

妊娠中は、どの時期でも出血しやすくなりますが、妊娠3週ごろは、着床により出血することがあります。このような出血は着床出血と呼ばれています。

これは、胚盤胞から出る絨毛が子宮内膜にもぐり込むことで子宮内膜の血管が傷つき、少量の出血がみられる現象です。データによってばらつきがありますが、妊娠全体の数%~30%にみられるといわれています。

着床出血は、生理開始予定日かその1週間前から起こる場合が多く、生理がきたと間違える人もいます。出血量はごくわずかで、痛みもほぼなく、出血は3日程度で収まります。着床出血が初期の流産につながることはほとんどありません。

ただ、出血量が多く腹痛がひどい場合には、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)などの可能性もあるので、こうした場合には、医療機関を受診することが大切です。

【医師監修】妊娠初期の出血の原因は?  考えられる可能性と月経との見分け方

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/110

妊娠初期の出血は、少量であれば心配ないケースもありますが、自己判断はせず、かかりつけのドクターに相談することがとても大切です。特に生理の時より出血量が多い場合や腹痛がひどい場合は夜間・時間外でもすぐに医療機関を受診しましょう。

【医師監修】妊娠超初期はおりものも変わる? 関連する気をつけたい病気

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1056

妊妊娠がわかると、体に起き始めたさまざまな変化に意識が向きます。特に妊娠初期(~13週)の頃は、体調や生活の大きな変化を感じる人も多いでしょう。また、妊娠初期の中でも生理予定日前などのごく早期を、俗に「妊娠超初期」と呼ぶこともあるようですが、この時期は体の些細な変化でも「これは妊娠の兆候?」と気になるものです。

その他の身体の変化

妊娠成立に向かっているこの時期は、高温相が続き、プロゲステロンの分泌が続きます。このプロゲステロンのもたらす、月経前や月経時と似たような、あるいはそれが強まったような体調不良を感じることがあります。

熱っぽい、日中に眠気を強く感じる、胸が張る、立ちくらみやめまいがする、胃がむかむかする、等です。 このような、妊娠による体の変化にともなって起こる不快な症状を「マイナートラブル」といいます。

妊娠3週に必要な準備

妊娠の心当たりがあるのなら、赤ちゃんとお母さんのどちらのためにも、必要な栄養素をバランスよく摂ることを心がけましょう。

葉酸を摂ろう

妊娠中はどの栄養素もまんべんなく、必要量を摂ることが大切です。とりわけ、妊娠がわかってからではなく、妊娠する前、赤ちゃんがほしい、と思ったときから積極的に摂ってほしいのが「葉酸」です。

【医師監修】妊娠初期までに葉酸が必要な3つの理由と注意点

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1067

赤ちゃんの健やかな成長のために、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠初期までに葉酸が不可欠な理由を知っておきましょう。

具体的には、妊娠の1ヶ月以上前から1日0.4mg以上1mg未満を妊娠3ヶ月まで、基本は食事から摂りつつ、食事からでは不足しがちなのでサプリメントなどの栄養機能食品、栄養補助食品などで補うことが推奨されています[*2]。ただ、サプリメントで摂る場合は、葉酸以外に複数の栄養素が一緒になっている製品では、ビタミンAなど、摂りすぎてはいけない栄養素を含む場合があることに注意しましょう。

葉酸にはたんぱく質やDNAの合成を助ける働きがあり、細胞がさかんに増殖する妊娠初期の胎児には必須の栄養素です。これが不足すると赤ちゃんが「神経管閉鎖障害」になるリスクがあるといわれています。神経管閉鎖障害とは、妊娠4~5週に起こる先天異常で、胎児の脳や脊髄などのもとになる神経管という最初は板状の器官が、正常であれば成長過程で管状に閉じるはずがしっかりくっつかなかったために起こります。

神経管の下部でこの閉鎖障害が起こる「二分脊椎」では、下半身の運動障害や膀胱・直腸の機能障害が起こることがあります。また、閉鎖障害が神経管の上部で起こると、脳が形成不全となる「無脳症」になります。無脳症になると、流産や死産のリスクが高くなります。

葉酸は、この神経管閉鎖障害を予防する可能性が高いビタミンであることが、世界中で研究されています。葉酸は、葉ものの野菜や果物、豆類、レバーなどに多く含まれています。それらを日常的に多く食べるように心がけつつ、妊娠初期の女性はとくに市販のサプリメントなども摂るようにしてください。

妊娠3週の注意点

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妊娠以前には何気なく行っていた生活習慣が、赤ちゃんに悪影響を及ぼす場合もあります。また、妊娠の時期によってとくに注意したほうがよいこともあります。どのような生活習慣が母子に影響するのか、みていきましょう。

薬やX線検査について

妊娠3週では、ごく少数の医薬品を除き、薬を使用しても胎児奇形出現率は増加しないことがわかっていますが、持病のある人はもちろん、かかりつけの医師に妊娠の可能性があることを相談し、常用している薬について確認してください。自己判断で飲むのを止めるのではなく、必ず医師に相談するようにしましょう。

妊娠4週に入ると赤ちゃんの重要な器官が作られる時期が始まるので、それまでよりさらに薬の服用は慎重にする必要があります。自己判断ではなく服用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。

なお、赤ちゃんに奇形を引き起こすことが報告されている薬には、高血圧の薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬)、血液を固まりにくくする薬(ワルファリン)、てんかんの薬(バルプロ酸やカルバマゼピン)などがあります。

病院が遠方でかかりつけ医にすぐに相談できない場合などで、薬の影響が気になる人は、「妊娠と薬情報センター」https://www.ncchd.go.jp/kusuri/
に相談することもできます。

X線(レントゲン)検査やCT(コンピューター断層撮影)検査については、放射線の被ばくを心配する人もいるでしょう。これまでの調査では、胎児に影響が出る線量(しきい線量)は100mGy以上と確認されており[*3]、通常の検査ではこれ以上の線量を浴びることはまずありません。とはいえ、医療機関を受診するときは、妊娠の可能性があることを必ず医師に伝えるようにしてください。

その他、タバコ、アルコール、カフェインの影響について

普段摂取している嗜好品についてはどうでしょうか。

タバコは、不妊率を増加させ、異所性妊娠(子宮外妊娠)発生率を2倍に高めるほか、流産率も増加させます。ヘビースモーカーは非喫煙者の2倍の流産率と言われています[*4]。妊娠を望んでいるのなら、よい機会ですので自分の健康のためにも禁煙しましょう。また、一緒に暮らすパートナーや家族にも、禁煙してもらうようにしましょう。

最近流行の「電子タバコ」や「加熱式タバコ」も、ニコチンなどの体に影響する物質を含まないわけではありません[*5]。有害物質を含む以上、吸う本人はもちろん、受動喫煙でも影響がないとはいえず、胎児に対する影響についても同様、まだ研究されていないのでわからない、というのが現状です。これらも妊婦さん本人や家族は控えたほうがいいでしょう。

また、アルコールも、妊娠中は飲まないようにしましょう。食品に少量含まれているものについては目くじらを立てる必要はありませんが、飲酒については、妊娠中のどの時期であっても、また少量であっても、安全な時期はないとされています[*6]。

カフェインは、胎児の発育を阻害する可能性があるとする、海外の研究報告もあります。しかしカフェインに対する感受性は個人差が大きいので、一日摂取許容量はどの国でも設定されていません。たとえば普段コーヒーを飲み慣れている人が、1日カップ1~2杯程度を摂取する分には問題がないだろうと考えられています。

なお、エナジードリンクは、1本でコーヒー2杯分など、カフェインを高濃度に含むことが多いので、摂取する場合は総量に気をつけて、控えめに摂取するように心がけてください[*7]。

風疹などの感染症を予防する

妊娠中に感染すると胎児に影響する感染症はいくつかあります。とくに妊娠初期に注意したいのが、風疹です。お母さんが妊娠1ヵ月で風疹にかかった場合は50%以上、妊娠2ヵ月の場合は35%の確率で、赤ちゃんが「先天性風疹症候群」にかかる可能性があるといわれています[*8]。先天性風疹症候群は生まれつき目や耳、心臓などに障害を持つ病気です。

近年は、とくに大人の風疹が流行しています。妊娠中は風疹を防ぐワクチン接種ができないので、妊娠を希望している人は、妊娠前に接種しておくことが大切です。同居する家族で風疹にかかったことのない人にはワクチンの接種をしておいてもらいましょう。

妊娠初期の検査で風疹の抗体が少なかった妊婦さんは、流行地域での不要な外出を控える、うがい・手洗いなどの感染予防をしっかり行うといった対策が必要になります。

妊娠初期は流産が多いことを知っておきましょう

流産は妊娠12週までの早い時期に起こる事が多く、8割以上が早期に起こっています[*9]。早期に起こった流産の原因で最も多いのが、胎児に先天的な染色体等の異常があることと言われています。つまり、妊娠まではできたけれども、最初からそれ以上育つことはできないことが決まっていたという場合が多いのです。

妊娠超初期の流産に「化学的流産」と呼ばれるものがありますが、妊娠検査薬で陽性反応は出たものの、超音波検査で妊娠が確認できる前に流産してしまった状態のことです。この場合も、着床まではしたものの、受精卵の染色体などに異常があるために、それ以上、発育できなかったということで、受精卵側に流産の原因があります。化学的流産は妊娠検査薬を使わなければ妊娠したことにすら気付かなかったであろう状態で、治療はとくに必要なく、経過を観察します。

【医師監修】妊娠超初期の出血原因と対処方法は?茶色や鮮血は危険?

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/218

妊娠超初期は医学用語ではありませんが、赤ちゃんとなる卵子が排卵され、受精して子宮に着床するころです。妊娠を確定するにはまだ早く、妊娠を待ち望む女性にとって気持ちが落ち着かない時期ですね。そんな超初期の症状の中で、ここではさまざまな要因で起こる出血に焦点をあてて紹介します。

このように、妊娠初期の場合はお母さんがいくら気を付けて生活していても、流産を避ける方法、治療法はありませんので、あまり気に病まず、健康的な生活を送って心穏やかに過ごすようにしましょう。

まとめ

妊娠3週は、まだ確定はできないけれど、もしかしたらお腹の中に赤ちゃんがいるかもしれない時期。もう少し待ってから検査薬を使ったり受診したりすれば、結果がわかります。葉酸摂取を意識したり、赤ちゃんに影響を及ぼしそうなものは極力避けたりしつつ、できるだけゆったり過ごしましょう。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

(文:石井悦子/監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
http://w-health.jp/fetation/temperature/
[*2]厚生労働省資料
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1212/h1228-1_18.html
[*3]放射線被爆と先天異常(日本産婦人科医会・先天異常委員会委員 東北大学医療技術短期大学部教授 高林 俊文)
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm
[*4]産婦人科診療ガイドラインー産科編2017 118p
[*5]日本禁煙推進医師歯科医師連盟, 加熱式タバコに関する注意喚起文書と啓発チラシ
http://www.nosmoke-med.org/682
[*6]産婦人科診療ガイドラインー産科編2017 121p
[*7]食品安全委員会「食品中のカフェイン」
http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
[*8]厚生労働省 風しんについて

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html
[*9]日本産婦人科学会「流産・切迫流産」

http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=4

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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