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2021年04月18日 10:25 更新

妊婦にもよいスイカの栄養素とは?むくみ解消にも効果的?【管理栄養士監修】

夏が旬であるスイカには妊婦さんにうれしい栄養素がたくさん詰まっています。スイカは水分をたくさん含んでいるため、夏場の水分補給にも大活躍です。今回は妊婦さんにスイカがおすすめの理由をご紹介します。

妊婦にうれしいスイカの栄養素

カットしたスイカ

スイカは水分ばかりで栄養がほとんどないと思われがちですが、実は妊婦さんにも摂ってほしい栄養がたくさん詰まっています。特にむくみやすい人にはうれしいカリウムやシトルリンなどのミネラル、また鉄分の吸収に役立つビタミンCも多く含まれています。

妊娠中のむくみ解消に役立つ「カリウム」「シトルリン」

生の野菜や果物にはカリウムが多く含まれており、スイカも例外ではありません。

妊娠中はホルモンなどの影響でむくみやすくなっています。また、食塩 (ナトリウム)を摂りすぎることもむくみの原因となりますが、カリウムはナトリウムの排泄を促す働きもあるため、食事からナトリウムを摂りすぎた場合にはカリウムが作用して、ナトリウムを体外へ排出してくれます [*1]。

また、スイカには血管を拡げ、血液の流れを良くするスイカ特有の成分であるシトルリンが含まれています。 シトルリンはスイカから発見された成分で、スイカに多く含まれています。

スイカはむくみに悩む妊婦さんにおすすめの食べ物の1つです。

鉄分の吸収を促す「ビタミンC」

スイカを食べる妊婦

すいかにはビタミンCも含まれています。ビタミンCは水溶性で水に溶けてしまう性質があるため、皮ごと洗って中身を食べるスイカは、洗うことによってのビタミンCの損失が少ない果物の1つです。また、ビタミン類は加熱にも弱いので、生のまま食べることの多いスイカはビタミンCを効率よく摂取できる果物といえるでしょう。

血液循環量が増えることで、妊娠中は貧血になりやすくなっています。母体は鉄分の需要が増大し、非妊娠期に比べ1.5倍の鉄分量が必要になります [*2]。ビタミンCは鉄分の吸収率を上げ、効率よく吸収できるので[*3]、食事からビタミンCも積極的に摂りましょう。

必要な分だけビタミンAに変換される「β-カロテン」

食物性食品に含まれるβ-カロテンの特徴は、体内で足りない分だけビタミンAに変換されるということです。赤いスイカには、このβ-カロテンが多く含まれています[*4]。

妊婦のビタミンAの過剰摂取は胎児への催奇形性などのリスクを高めますが、β-カロテンは過剰摂取を心配する必要はありません [*5]。

その他にもある!妊婦にスイカがおすすめの理由

皿に乗った2切れのスイカ

果物の中では比較的低カロリーのスイカは、体重管理を必要とする妊婦さんにはとってはおすすめの果物です。水分も多く含まれているので夏の暑い日にはうれしいですね。

果物の中では低カロリー

スイカは100g当たり39kcal。夏の時期に市場に出回るパイナップルが54kcal(100g当たり)なので、比較的低カロリーです。

また、スイカは冷やすことによってより一層甘みを強く感じることができるので、 暑くてほてったときに冷やしたスイカを食べるのもいいですね。

水分量が多く水分補給にもなる

スイカの果汁

英語で「ウォーターメロン」と呼ばれるようにスイカは成分の約90%が水分[*4]なので、夏場の水分補給にもなります。また、水分が多く含まれていることで少量で満腹感も得やすく、食べすぎを防ぐこともできます。

つわり時でも食べやすい

ほとんどの成分が水分のため、つわり時期ものど越しが良く食べやすい果物です。また、脱水症状が起こりやすいつわり中には水分補給の代わりにもなります。食欲不振の際にはスイカをよく冷やすことで、口当たりも良くなり食べやすくなるでしょう。

妊娠中のすいかに関するよくある疑問と注意点

妊娠中のスイカに関する疑問をまとめています。

妊娠中、スイカの種を飲み込んでしまったら?

スイカのタネ

「スイカの種を食べると盲腸(虫垂炎)になる」という言葉を聞いたことのある妊婦さんもいるかもしれません。しかし、これはなんの根拠もなくただの迷信です。

スイカの種の外側(種皮)は頑丈にできており、うっかり飲み込んでしまってもほとんどが消化されず体の外へ排出されます。

現在は品種改良が進み、種が少ないものや種なしスイカも市場に出回っているので、種が気になる人にはおすすめです。

赤いスイカと黄色いスイカ 、どちらの方が妊婦におすすめ? [*5]

スイカには赤い実のスイカ(大玉スイカや小玉スイカ)と黄色い実のスイカ(黄色スイカ)があります。赤と黄色の種類でほとんど栄養価は変わらないですが、大きく違う栄養素がβ-カロテンです。

ビタミンAは妊娠中に必要な栄養素ですが、摂りすぎにも気をつけなければなりません。その点、β-カロテンは必要なだけビタミンAに変換されるので、過剰摂取の心配がありません

緑黄色野菜などに多く含まれるカロテノイドの一種であるβ-カロテンは、スイカの赤い部分に多いので、どちらかを選べるのであれば、黄色スイカより赤いスイカがおすすめです。

まとめ

スイカを食べる女性の後ろ姿

スイカは約90%が水分でできていますが、妊婦さんにうれしい栄養素がたくさん含まれています。つわり中や夏の暑い日には水分補給としてはもちろん、むくみ対策にも役立つ「カリウム」や「シトルリン」が豊富なスイカを食べて、暑い夏を赤ちゃんと共に乗り切りましょう。

(文:茅野陽 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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