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2021年04月17日 09:24 更新

妊婦にうれしいぶどうの栄養と注意点【管理栄養士監修】

パクっと手軽に食べられるぶどうは、食後のデザートやちょっと甘いものが食べたいときなどに重宝しますよね。そんなおいしいぶどうにも、妊娠中にうれしい栄養素が含まれています。注意点などとともに確認していきましょう。

妊婦にうれしい効果?ぶどうに含まれる栄養素

甘くておいしくて、妊婦にうれしい栄養素が摂れるぶどう。いったいどんな栄養があるのでしょうか。

妊娠中のむくみ予防に役立つ「カリウム」

みずみずしいぶどう

カリウムは妊娠中にも必要な栄養素ですが、通常の食事で十分補えますので、妊娠しているからといって妊娠していない時以上に増やす必要は特にありません。このことから、1日に必要なカリウムの目安量は、非妊娠時と同じ2,000mgとなっています[*1]。

カリウムはナトリウムを排出する作用があるので、塩分の摂りすぎを調節する上で重要な役割をします。

妊娠中のむくみの主な原因は、ホルモンバランスによるものや、お腹が大きくなって脚の付け根を圧迫してしまうこと。また、塩分の摂りすぎでもむくみは起こるので、塩分控えめを心がけるとともに、塩分をおしっこへ排出するカリウムの摂取も重要となります。

カリウムは野菜や果物などに多く含まれますが、茹でたりすると外に流れ出てしまうので、生の状態で食べられる食品は効率よく摂取できます。

皮つきぶどうにはカリウムが220mg(100g中)含まれています[*2]。これはキャベツ(100g)とほぼ同じくらいの含有量です。

からだを調整する「ビタミンC」

妊娠中に風邪をひいたら、なんとかこじらせず治したいものですよね。

ぶどうにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCを日常的に摂っていると、風邪をひいても比較的早く治ったり、症状が少々軽く済む可能性があります[*1]。

ただし、風邪をひいたときは十分な休養も大切ですので、無理せずしっかり休んでくださいね。

妊娠中の貧血予防に役立つ「鉄分」

ぶどうスムージー

妊娠中は血流量が増えるため、多くの鉄分が必要となります。妊娠時は妊娠していないときに比べて推奨量も増えるので、鉄分を意識して摂取したいですね。

皮つきぶどうには0.2mgの鉄分が含まれています(100gあたり)。また、干しぶどう(レーズン)の場合は、大さじ1程度で同じくらいの鉄分を摂ることができます[*2]。間食やちょっと何かを食べたいと思ったときに、干しぶどうを食べるのもいいでしょう。

鉄分はビタミンCと一緒に摂取することで吸収率がアップします。ビタミンCや有機酸を含む食品にぶどうを付け加えるのもいいでしょう。例えば、凍らせたぶどうとキウイフルーツに牛乳を加えてスムージーにするなどもおすすめですよ。

ぶどうには妊婦に要注意の栄養素も

ビタミンやミネラルが手軽に摂取できるぶどうですが、妊娠中には気を付けたい成分も。何を気を付ければよいのでしょうか。

ぶどうに含まれるポリフェノール

ぶどうジュース

ポリフェノールは抗酸化作用をもつ成分で、活性酸素を取り除き、酸化を抑えてくれます。多く摂りたいと思いがちなポリフェノールですが、妊婦の場合は少しだけ注意が必要です。

ポリフェノールの摂りすぎによる影響

妊娠後期のポリフェノール(アントシアニン)過剰摂取で、新生児の動脈管早期収縮の原因になる可能性があることが示唆されています[*3]。

ただし、すべての食事のぶどうでまかなっている、飲み物をすべてぶどうジュースにしている、など極端なケースでなければ心配はないでしょう。ぶどう以外にルイボスティやココアなどにも含まれているので、ポリフェノールを多く含む飲食物の摂りすぎには注意しましょう。

妊婦がぶどうを食べるときの注意点

では、ぶどうを食べるときの具体的な注意点を見ていきましょう。

食べすぎないよう量に注意

かごに入った3種類のぶどう

ブドウ糖や果糖など吸収されやすい糖質がたっぷり含まれているので、たくさん食べてしまうとカロリーオーバーに。

「妊産婦のための食事バランスガイド」では、妊娠中期・後期には果物を1SV多めの3SV摂っていいとしています(妊娠していないとき、妊娠初期は2SV)。1SV=果物100gなので、果物は1日に300gほどがいいということになります。

ぶどう(デラウエアの場合)大きめの1房が約200gなので、1日にぶどう1房(200g)とりんご半分程度など、ほかの果物と組み合わせて食べることができるといいでしょう[*4]。

食べる前にはよく洗う

ぶどうは皮ごと食べることもありますね。食べる前にはしっかり洗い、食中毒などには気を付けたいですね。

まとめ

ぶどうを持つ妊婦

ぶどうには、カリウムや鉄分、ビタミンCなど妊娠中に摂りたい栄養が含まれています。ポリフェノールも過剰摂取に気をつけながら摂りたい栄養の1つです。マスカットや巨峰、デラウエアなど、いろんな種類を食べ比べてみるのも楽しいですね。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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