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2021年04月13日 16:22 更新

妊婦はりんごで太る?食べていい量や効率的な食べ方を紹介【管理栄養士監修】

りんごはカットしてそのまま生でも食べるほかにも、菓子・料理で加熱して使われることもある身近な食材です。妊婦さんも食べる機会の多いと思いますので、今回は妊娠中におけるりんごの取り入れ方について解説します。

りんごは妊婦にうれしい栄養豊富

「一日に1つのりんごは医者いらず(An apple a day keeps the doctor away.)」といったイギリスのことわざがあるように、りんごは健康維持に期待できる栄養素が含まれています。
中でも豊富に含まれているのは、カリウム、カルシウム、ビタミンC食物繊維は水溶性と不溶性の両方を含みます[*1]。

妊娠中の便秘予防に役立つ食物繊維

便秘に効果があるりんごを持つ妊婦

妊娠中は便秘になりやすいものです。

りんごには水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれています[*1]。腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は水溶性食物繊維を餌にするため、これらの菌が増えて腸内環境が整い、便秘対策になりそうです。

妊娠後期のむくみ改善に役立つカリウム

妊娠中、特に妊娠後期はむくみに悩まされることが少なくありません。ただでさえむくみやすいのに食塩を摂りすぎると、さらにむくみが出やすくなります。

塩分の摂りすぎを避けることが大前提ですが、ナトリウムの排泄を促すカリウムの多い食材を摂ることでむくみ改善が期待できます。カリウムは野菜や果物に多く含まれます。

りんごの栄養を効率的にとるための食べ方のポイント

りんごは生でも加熱調理してもおいしく食べることができますが、栄養素の中には加熱調理で壊れてしまうものもあります。せっかくなら栄養素をしっかりと摂りたいですね。

生のまま食べる

剥いたりんご

ビタミンCは熱に弱い栄養素です。加熱調理をせずに生のまま食べるほうが、ビタミンCをそのまま摂ることができます。ただ、皮つきのままりんごを食べる時は、よく洗ってから食べましょう。

りんごを切ったら早めに食べる

りんごは切ってそのままにしておくと、色が茶色っぽくなります。これはりんごのポリフェノールが酸素に触れることで、褐変反応が起きているため変色をします。褐変反応が起こることで、ポリフェノールが使われ、減っていってしまうのです。
多少変色しても食べることはできますが、時間がかかると細菌が増えてしまうこともあります。時間の目安はありませんが、りんごは切ったらなるべく早く食べましょう。

食べ過ぎは太る?妊娠中に食べてよいりんごの量は?

りんごは良い成分が豊富ですが、野菜の代わりにはなりません。りんごは糖分も多く含むので、一日に食べる量には気をつけたいですね。

妊娠中のりんごの目安摂取量

切られたりんご

果物の摂取量は一日に妊娠初期で200g、妊娠中期・後期では300gとなります。りんごは1個がだいたい200gなので、一日のりんごの量は、妊娠初期で1個、妊娠中期・後期では1個半が目安の量となります[*2]。

なお、つわりの時の食事は「食べたいものを食べたい時に食べたいだけ」で良いとされています。つわりがひどい時は栄養バランスが偏ることを心配せず、食べられるものを食べてください。栄養に気をつけるのはつわりの症状が治ってきてからで大丈夫ですよ。

妊娠中にりんごを食べ過ぎたときの影響

りんごを食べ過ぎて心配な点は、糖分が多いことです。糖分は摂りすぎれば肥満の原因にもなります。

果物は短時間でエネルギーになるため、食べる場合は活動量の高い昼間の時間までにして、夜はりんごをデザートとして食べないように気をつけます。りんごを食べ過ぎてしまったとしても、毎日のように食べ過ぎていなければよいでしょう。

まとめ

りんごを選ぶ妊婦

りんごはさわやかな香りや程よい酸味があり、食欲がない時に食べたくなる食材の一つです。良い成分が多い反面、糖分が多いので、食べる量には少し注意が必要ですね。また、りんごは野菜の代わりにはならないので気をつけましょう。適量を守ってりんごをおいしく楽しめると良いですね。

(文:夏目千恵子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本食品成分表(八訂)2021年
[*2] 厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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