妊婦におすすめの果物みかん! 1日何個まで食べていい?食べ過ぎの影響は?【管理栄養士監修】
皮を剥いてすぐに食べられるお手軽な果物、みかん。おいしい季節にはパクパク食べてしまいますよね。小さいころに食べ過ぎて手が黄色くなった人もいるのでは? 今回は妊娠中のみかんの考え方についてお伝えします。
みかんは妊婦にうれしい栄養素豊富
みかんには妊娠中にとりたい栄養がたくさん含まれています。いくつかご紹介しましょう。
風邪対策に役立つかもしれない「ビタミンC」
妊娠中に風邪を引いてしまうと不安ですよね。ビタミンCは抗酸化作用によって細胞を保護する機能を持っているため、免疫細胞などの正常な働きに重要な栄養素です。みかんにはビタミンCが豊富に含まれており、ビタミンCは妊娠期に大切な栄養である鉄分の吸収も助けてくれますよ。
また、免疫細胞の正常な働きには休養も大切ですので、疲れを溜めすぎないことも大切ですね。
赤ちゃんの成長に重要な「βカロテン」
βカロテンはプロビタミンAの一種で、体内で吸収されビタミンAとして働く栄養成分です。妊娠後期には胎児がビタミンAを多く必要とすることから、ビタミンA(レチノール当量)に付加量が設定されています。
基本的に不足する心配はなく、レバーなどビタミンAを多く含む動物性食品を多量摂取することによる過剰症の心配があります。一方、みかんに多く含まれるβカロテンでは、ビタミンA過剰症の心配は要らないとされています。適度な量を食事に取り入れてみてくださいね。
妊娠中のむくみ予防に役立つ「カリウム」
ホルモンバランスの影響や、大きくなったお腹で足の付け根が圧迫されることで、特に妊娠後期はむくみが起こりやすくなります。また、塩分もむくみの原因となります。
むくみの予防には食事からの塩分を控えることに加えて、塩分を尿中へ排出するカリウムの摂取も重要となります。みかんはカリウムを豊富に含む果物の一つです。
疲労回復に役立つ「クエン酸」
クエン酸は、体内でエネルギーを産生する化学反応に関与している成分です。このようなことから一般的にクエン酸を摂ると疲れが取れやすいとも言われており、様々な研究が行われています。
妊娠中は疲労を溜めないように休養とバランスの良い食事を心がけたいものです。果物の摂取も大切ですので、みかんのように手軽に食べられるものを取り入れてみてくださいね。
妊娠中はみかんの食べ過ぎに注意
妊娠期に嬉しい栄養も含んでいるみかんですが、みかんばかり食べてしまうことに問題はあるでしょうか?
妊娠中のみかんの食べ過ぎで考えられるリスク
みかんはクエン酸など酸を多く含んでおり、頻回に食べてそのままにしていると歯の表面が溶けてしまうリスクがあります。だらだらと食べ続けることがないようにしたいですね。
また、みかんだけを大量に食べるなど一つの食材に偏りすぎることで、他の食材を食べないことによる栄養のアンバランスなどが起こることも考えられます。
妊婦のみかんの摂取量は1日何個まで?
みかんは1日2個程度にしておくことで、食事のバランスを整えやすいですよ。
悪阻でみかんなど果物しか食べられないときは?
つわり(悪阻)の時にみかんしか食べられるものがない、ということもありますよね。つわりの時には食べられるものを食べればOKです。みかんばかりになって、一時的に栄養のアンバランスが起こっても、胎児に影響することはありませんので安心してくださいね。みかんを食べたら口をすすいだりできると良いでしょう。
妊娠中のみかんに関するよくある疑問
みかんには缶詰などの加工品もありますよね。また、みかんと妊婦にまつわる言い伝えもあります。
みかんの缶詰でも栄養はとれる?
缶詰のみかんでは、生鮮のみかんに比べてビタミンC、βカロテン、カリウムなどは少なくなる傾向ですが、栄養が全くなくなる訳ではありません。缶詰はシラップ漬けされ砂糖が添加されますので、果肉のみを使うようにするなど糖質を過度に摂り過ぎないようにする工夫は必要でしょう。
みかんで双子が生まれるって本当?
みかんを食べると双子が生まれるという言い伝えもありますが、そのような医学的根拠はありません。双子の赤ちゃんは微笑ましく可愛らしいですが、双子が欲しいからとみかんばかり食べ過ぎないようにしましょうね。
まとめ
果物は栄養バランスの良い食生活に欠かせません。みかんは皮を剥くだけで食べられる手軽な果物として食事に取り入れやすいので、1日1個程度を目安に是非取り入れてみてくださいね。
(執筆:奥野由 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
日本人の食事摂取基準(2020 年版) - 厚生労働省
日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省
西川 善之・灘本 知憲(2003) 『基礎栄養学』(新 食品・栄養科学シリーズ)化学同人
むし歯の特徴・原因・進行 | e-ヘルスネット(厚生労働省)