妊娠 妊娠
2022年12月08日 16:38 更新

妊婦の食事にカップラーメンはあり?考えられる影響と注意点【管理栄養士監修】

妊娠中は味覚の変化などから、ジャンクな食べ物を好むようになる人もいます。もしかしたら、無性にカップラーメンが食べたくなる人もいるのでは。妊婦さんがカップラーメンを食べたくなった時は、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか。

妊婦はカップラーメンは避けるべき?

塩分や脂肪分を多く含むなど、頻繁に食べるのは避けたほうがよいという印象のあるカップラーメン。妊婦さんは食べるのを避けるべきなのでしょうか。

気を付けたいのは「塩分」

塩分が多そうなカップラーメンのスープ

医師から特に食事の指示などを受けていない人であれば、妊娠中だからといってカップラーメンを我慢する必要はないでしょう。ただし、カップラーメンには塩分が多く含まれているため、頻繁に食べることはおすすめしません

国民健康・栄養調査のデータを解析し「日本人はどんな食品から食塩をとっているか」を調べた調査があります[*1]。この調査によると、20歳以上の日本人が食べている食品の中で食塩の摂取量1位だったのが「カップ麺」でした。

1日あたりのカップ麺の摂取量は平均90gほどでしたが、この量を食べると実に5.5gの食塩を摂取することになります。ちなみに2位は「インスタントラーメン」で1日あたりの食塩摂取量は5.4gでした 。

妊娠中の塩分摂取量の目標は、非妊娠時同様、1日あたり6.5g未満(食塩相当)とされています[*2]。 1日に1回カップラーメンを食べるだけで、1日分の目標量近くまで食塩を摂取することになってしまうのです。

塩分の摂りすぎは、むくみのリスクを高めるため、注意が必要です 。妊婦さんはホルモンバランスの変化などの影響により、もともとむくみ(生理的浮腫)が生じやすい傾向にある ことから、塩分過剰にならないようにさらに注意したいところです。

なお、塩分の目標摂取量6.5gを目指すには、1食あたり2g程度に抑える(朝2g+昼2g+夕2g+0.5g)ことを目指すと良いでしょう。塩分量2gは意外に少なく、外食だと軽々超えてしまうくらいの量です。

妊娠中のむくみについては、以下の記事で詳しく解説しています。

モラハラ夫バナー

妊娠中にカップラーメンを食べるときの注意点

妊娠中、カップラーメンを食べる時は、以下のポイントに注意しておくとよいでしょう。

食べすぎず適度な頻度で

カップラーメン

さきほどもお伝えしたように、医師から特に食事制限などの指示を受けていない妊婦さんであれば、カップラーメンを無理に我慢する必要はないでしょう。しかし、解説したようにあまり頻繁に食べると塩分過剰になる可能性が高いので、頻度と食べ方(このあと解説します)には少し気を付ける必要があります。

なお、塩分以外にリン酸塩などの添加物を気にしている人もいるかもしれませんが、腎臓病などの病気がある人でない限り、カップラーメンを毎食食べ続けるといった偏った食生活をしなければ心配いらないようです。

スープは残す

カップラーメンの塩分の半分ほどは、スープに含まれています 。そのため、スープをできるだけ残すようにすることで、塩分摂取量を減らす効果が期待できます 。

実際、「麺類の汁を飲まないことで1.6~4.0gの減塩効果があった」とする報告もあります[*3]。カップ麺を食べる時は、食べ方を工夫することが大切ですね。

野菜もプラスする

カップラーメンに足すほうれん草を切る

カップラーメンに含まれる主な栄養成分は糖質(炭水化物)や脂質、そしてタンパク質です。したがってカップ麺単品で食事を済ませると、栄養に偏りが生じてしまいます。せめてビタミンを補うために野菜類などを足したいところ。加えて、塩分の摂りすぎ対策も考えたいものです。

そこでおすすめなのが、カリウムを多く含む野菜をチョイ足しすること。カリウムは、食塩に含まれるナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、それを尿中に排泄するのを促す働きを持っています 。カリウムを多く含む野菜を、カップラーメンと一緒に摂取することで、摂りすぎた塩分が尿から排出されやすくなるうえ、栄養の偏りも防げて、一石二鳥の効果が期待できます。

ラーメンの具材にプラスするなら、ほうれん草、キャベツ、ニラ、干ししいたけなど はカリウム豊富でおすすめです。

夜中の夜食カップラーメンは避ける

塩分の多い食べ物は、食べる時間にも気を付けたほうがよいようです。例えば夜、遅い時間にカップラーメンを食べると、食後の活動量が少ないことも重なって、むくみやすくなるといわれています。

妊娠中はつわりの影響や大きくなる子宮に消化器が圧迫されることなどで、一度の食事でじゅうぶんな量を食べられなくなることもあり、お腹が空いて夜食を食べたくなることもあるでしょう。でも夜中に食べるなら、なるべく塩分の少ない食品を選ぶのがよさそうです。

つわりのときのカップラーメンはよくない?

つわりがつらい

つわりの時はフライドポテトのように、ジャンクなものや塩分の多いものを食べたくなる人も意外といます。

つわりの多くは、およそ妊娠16週ごろまでには自然消失する一過性の症状です。偏った食生活があまり長期間続くと健康への影響が心配ですが、つわりはずっと続くものではないため、つわりで辛いときは「食べられるものを、食べられるだけ、食べられるときに」口にしておけばOKとされています。

つわりの時期にカップラーメンが食べたくなった場合も、塩分の過剰摂取には注意しながら食べれば問題ありません。ただし、カップラーメンを食べて余計に胃がもたれるようなことがあれば、食べるのをやめたほうがよいでしょう。

つわりの時のラーメンについては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

カップラーメンを食べる女性

カップラーメンを食べたくなった時は、妊娠中であっても、食べても問題ないことがほとんどです。食べたい気持ちを我慢することが別のストレスなどにつながる可能性もあるので、我慢しすぎも体に良くありません。
ただし、カップラーメンには多くの塩分が含まれます。スープを全部飲み干さないようにしたり、野菜を足したりするなど工夫をして、食事を楽しめるとよいですね。

(文:山本尚恵/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-