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2021年04月04日 11:00 更新

妊婦はステーキの焼き方に注意!半生・レア肉はトキソプラズマの危険性【管理栄養士監修】

妊娠中、元気をつけるならやっぱりお肉! という人も多いのではないでしょうか。奮発してステーキもいいですよね。ステーキといっても肉の部位(ヒレ、サーロインなど)や焼き方(レアやウェルダンなど)にもいろいろありますが、妊婦さんが食べる時に注意すべき点などあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

妊婦もステーキが食べたい!

ちょっと特別な日や、ご褒美などに食べるステーキ。厚切りの牛肉は食欲もそそられますよね。ステーキも、部位を選べば妊娠に必要なビタミンやたんぱく質を摂ることができます。一方で脂質の摂り過ぎには注意が必要です。気を付けるべきポイントなどを確認していきましょう。

妊娠中でもステーキは食べて良い

ウェルダンのステーキのイメージ
Lazy dummy

ステーキ(主に牛肉)は様々な部位があり、一般的にサーロインやリブロースはヒレや赤身肉に比べて脂質も多くなります。脂質の多い部位は脂身をできるだけ取り除くことでエネルギー過多を防ぐことができます。ヒレや赤身肉には鉄分やたんぱく質も多く含まれているので、妊娠中の栄養補給にいいですね。

妊娠中の鉄分補給にもお肉が役立つ

妊娠中は鉄分が不足しがちです。鉄はヘム鉄と非ヘム鉄があり、牛肉にはヘム鉄が多く含まれています。ヘム鉄はビタミンCと共に摂取すると吸収がよくなります。牛肉には鉄分と共にビタミンCも含まれているので、効率的に摂取することができます。

半生、レアステーキに潜むトキソプラズマのリスク

ステーキの焼き加減はレア・ミディアム・ウェルダンなど加熱の具合によって好みも分かれますよね。レア(半生)の場合は加熱不足の肉による食中毒などの心配があります。特に妊婦に注意が必要なのが、母子感染リスクがあるトキソプラズマ症です。

トキソプラズマとは

鉄板の上で焼いているステーキのイメージ
Lazy dummy

トキソプラズマ症を起こす病原虫です。主な感染経路は、加熱処理が不十分な肉や猫のフン、土などで、トキソプラズマが付着している肉を加熱が不十分の状態で食べることなどで感染が起こります。

妊婦のトキソプラズマ感染で起こる症状

普段ならば無症状だったり一過性の体調不良や発熱程度の軽症で済むトキソプラズマ感染ですが、妊娠中は母子感染があるため注意が必要です。

トキソプラズマ感染が赤ちゃんに影響することも

妊娠中にトキソプラズマに初めて感染すると、胎盤を通して直接赤ちゃんに感染する可能性があり、先天性トキソプラズマ症による流産・子宮内胎児死亡などを引き起こしたり、重篤な症状(水頭症、視力障害、脳内石灰化、精神運動機能障害など)をもたらすこともあります。

妊婦がステーキを食べる際のポイント・注意点

摂取できる栄養の違いや食中毒のリスクなどありますが、何よりおいしくいただきたいですね。ポイントをしっかり押さえて上手に取り入れましょう。

ステーキの焼き方はよく加熱したウェルダンで

ステーキと野菜の付け合わせのイメージ
Lazy dummy

トキソプラズマ症やリステリア菌感染の予防のためにも、中心部分の赤みがなくなるまでよく焼きましょう。
ヒレ肉はウェルダンに焼いてもやわらかく食べることができるので、好みに合わせて部位を選ぶのもいいですね。

脂肪分が多い部位はカロリー過多に注意

サーロインなど脂身の多い部位はカロリーも高くなりがちです。できるだけ脂身を落として焼いたり、食べる量や回数を減らすなどして、くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。

野菜も一緒に摂ってバランスよく食べる

ステーキだけだと、たんぱく質や脂質は摂取できますが、ビタミンやミネラル、炭水化物は不足してしまいますよね。ステーキと一緒に付け合わせやサラダ、ライスなども食べることでバランスを整えましょう。

まとめ

フライパンの上のステーキのイメージ
Lazy dummy

レア状態に焼いたステーキを食べたからといって必ずしもトキソプラズマ感染を起こすわけではないですが、万が一のことを考えると控えたほうがよいですね。
ステーキもしっかり焼けば感染症などのリスクも下げられ、妊娠中でも食べることができます。脂質の摂り過ぎに注意して、バランスよく食べたいですね。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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