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2021年04月03日 10:55 更新

妊婦のアイスの食べ方と注意点!臨月の逆流性食道炎を悪化させる?【管理栄養士監修】

冷たく口当たりの良いアイスは、妊娠中に食べたくなる物の一つでないでしょうか。つわりがひどい時でもアイスなら食べられる人も多いようです。今回は妊婦さんがアイスを食べる上で注意してほしいことをお伝えします。

妊婦もアイスを食べていい?

アイスは口当たりが良いので、妊婦さんにとってつわりがひどい時などでも食べやすい食品です。また、夏の暑い日には欠かせないおやつの一つですよね。では、妊娠中はアイスを安心して食べても大丈夫なのでしょうか。

妊娠中もアイスは食べて大丈夫

カップのバニラアイスのイメージ
Lazy dummy

結論から言うと、妊娠中でもアイスは食べても大丈夫です。どうしても食欲が出ない時でも手軽に口に入れることができて食べやすいでしょう。

妊婦向きはどれ?知っておきたいアイスの種類

アイスは、乳成分の量によって
・アイスクリーム
・アイスミルク
・ラクトアイス

の3種類に分けられます。 

「アイスクリーム」は乳固形分15.0%以上(うち乳脂肪分8.0%以上)のもので、乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれているために、風味が最も感じられます。
「アイスミルク」は乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)で、乳固形分と乳脂肪分はアイスクリームに比べて少ないです。
「ラクトアイス」は乳固形分3.0%以上で乳固形分はさらに少なく、植物性脂肪が多く使われおり、3つの分類の中では一番カロリーが高いです。

なお、乳固形分3.0%未満のものはアイスクリーム類ではなく、食品衛生法により「氷菓」として規定されています。果汁などを凍らせたアイスキャンディーやシャーベットなどは氷菓で、アイスクリーム類とは別に扱われます。

アイスを作る工程で添加物が使われる場合もあり、アイスには添加物が多く含まれている可能性もあります。原材料の表記を見て、妊娠中はできるだけ添加物が少ないアイスを選ぶことが望ましいでしょう。また、アイスはカロリーが気になりますが、あっさりと食べられるシャーベットは比較的カロリーも抑えられるので妊娠中にはおすすめです。

妊娠中はアイスの食べ過ぎに注意

食べやすさからついつい手に取ってしまいがちなアイス。暑い時期となると余計においしく感じられますね。でも、おいしいからと言って好きなだけ食べていい訳ではありません。

食べ過ぎはカロリー過多に

アイスには糖分や脂質が多く含まれているものもあるため、もちろん食べ過ぎれば体重増加につながります。
また、アイスのような冷たいものを食べすぎるとお腹を下すこともあります。妊娠中は消化器系のマイナートラブルに悩まされる人も多いので、注意したいですね。

妊婦のアイスの目安量は1日何個まで?

ついついたくさん食べてしまいがちなアイスですが、市販品のアイスは糖分や脂肪分を多く含むものも多く、カロリーが高い物も少なくありません。市販品であれば1日100~200kcalを目安にしましょう[*3]。

また、身体が冷えてきたなと感じたら、無理せずその時点で食べることをやめましょう。

食べ過ぎ以外にもある!妊娠中のアイスの注意点

アイスの食べすぎ以外にも妊娠中はアイスの種類について気をつけましょう。食べる際に、パッケージにある栄養表示と原材料の確認ができると良いですね。

抹茶アイスは特に食べる量に注意

抹茶アイスのイメージ
Lazy dummy

抹茶は1杯あたり、約48mgのカフェインが含まれます[*1]。

妊娠中のカフェイン摂取は胎児の発育に影響を及ぼす可能性があるため、世界保健機関(WHO)では 妊婦のカフェイン摂取は1日200~300mg以下とすることが推奨されています[*2]。

とはいえ、抹茶のアイスはそれほど多くの抹茶を使っていませんので、そこまで気にすることはないでしょう。食べ過ぎないようにしたり、他にカフェインを摂取していないかもあわせて考えられるといいですね。

洋酒入りアイスは避ける

妊娠中の飲酒は厳禁です。アイスやお菓子に含まれる洋酒はごくわずかですが、お酒が含まれていることには変わりはないので、妊娠中には避けたい食品の一つです。

寝る前のアイスは控える

基本的に就寝前2~3時間は食事をしない方が望ましいです。寝る前に食べることで、食べたものが消費されず、カロリー消費できなかった余剰分は、そのまま体に蓄積されていき脂肪へと変わります。体重増加の原因にもなるので、寝る前に食べることは避けましょう。

こんなときはアイスを食べる前に医師に相談を

妊娠中にアイスを食べることは基本的に大丈夫ですが、医師に相談することが必要な妊婦さんもいます。

妊娠糖尿病と診断されたとき

体重計に乗る女性のイメージ
Lazy dummy

妊娠糖尿病とは妊娠中にはじめて発見、または発症した糖代謝異常のことです。医師・管理栄養士等の指導に従って適正な体重増加を目指すことが重要になってきます。基本的に血糖を急激に上昇させる食べ物は避け、規則正しい食事をすることが望ましいので、間食にアイスを食べたいときはまずは医師に相談してください。

食事制限・体重管理指導を受けているとき

食事制限や体重管理指導を受けている際には、カロリー過多が心配です。アイスを食べたいと思ったら、医師に相談してください。

貧血症状があるとき

鉄欠乏貧血になると、氷などの凍ったものや冷たいものが無性に食べたくなる「氷食症」という異食症が現れることがあります。冷たいものばかりを好み食事量が減少すると、さらなる鉄分の不足を招きます。不安な時は医師に相談しましょう。

臨月に多い逆流性食道炎症状があるとき

逆流性食道炎とは「胃酸が逆流することで食道が炎症を起こす病気」です。妊娠するとお腹の中で赤ちゃんがどんどん育っていき、お腹が大きくなっていくことで胃が圧迫され、逆流が起きやすくなります。

このような症状がある時には、脂肪分の多い食べ物や甘い食品は控えましょう。アイスには脂肪分が多く含まれているため(特にラクトアイスに脂質は多い)、胃酸過多を引き起こすだけでなく、消化にも悪影響を及ぼしてしますのでアイスは控えたほうが良いです。

まとめ

アイスを食べる女性
Lazy dummy

つわりの時など、冷たく口当たりの良いアイスは食べやすい食品の1つです。しかし、アイスはカロリーが高いものや避けた方が良いものもあるので、妊娠中に市販のアイスを食べるときは、カロリーや原材料を確認しましょう。時には自分で果物や果汁を凍らせてシャーベットを作ると、カロリーや脂質を抑えられますよ。適量に甘いものを楽しむことは妊娠中の気分転換にもなるので、我慢ばかりせず上手に間食に取り入れてみてくださいね。

(文:茅野陽 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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