食べ物の好き嫌いがあったっていい『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』Vol.6

食べ物の好き嫌いがあったっていい『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』Vol.6

「子育ての本当の目的」って、なんだろう? 革新的な教育で注目を集めた、元・千代田区立麹町中学校校長で横浜創英中学・高等学校校長の工藤勇一先生の著書『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』(かんき出版)から、家庭でも実践できる子育ての心構えをご紹介します。


著者プロフィール
工藤 勇一先生
横浜創英中学・高等学校校長。
大学卒業後、山形県、東京都の公立中学校の教員を務めたあと、東京都や目黒区、新宿区の教育委員会を経て、2014年4月から2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務める。麹町中では服装頭髪指導をしない、定期テストは廃止、固定担任制もなくすなど、「学校の当たり前」を見直した驚きの教育改革で注目を集めた。2020年4月より現職。
著書に『学校の「当たり前」をやめた。─生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社)、『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』(SBクリエイティブ)、『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』『きみを強くする50のことば』(いずれもかんき出版)、共著に『学校の未来はここから始まる』(教育開発研究所)がある。

「嫌いなものも食べなさい」と強要するのは、あまり意味がない

みなさんは給食にどんなイメージがありますか?
何より楽しみだったという人もいれば、「残さず食べる」ことを強要され、嫌いなものを無理にでも食べなくてはならず、苦痛だった記憶があるという人もいるかもしれません。今でも、「好き嫌いをしない」「残さず食べる」ということを重要視している親御さんは多いと感じます。

私の育った家庭でも、通っていた学校でも、そういうことはありました。
私の実家では、料理は一人ひとりの皿に取り分けられて出てきたため、すべてを食べきらないと食事が終わりません。私がとくに苦手だったのはニラのお浸し。それが出てくると、「ああ……今日も長くなりそうだ」と絶望したものです。

「好き嫌いをせずに」「残さず食べる」といったことを子どもに徹底したいという方は、なぜ、そのようにしたいのでしょうか。日本にも貧しかった時代があって、その時代のことを大事にしてほしいという思いなのか、マナーなのか……。個人によって思いは異なるでしょうが、その目的をはっきりさせることが大事だと思います。

残さないことを大事にしたいのなら、嫌いなものを出さなければいいでしょうし、栄養面を心配しているのであれば、嫌いなもの以外で補うこともできるでしょう。
わざわざ口にあわない料理を出して残さず食べることを強要することに、あまり意味はないのではないかと思います(あくまでも個人的な考えです)。

口にあわないというのは程度の差でしかありません。世界にはヘビや虫を食べる地域がありますが、突然その料理を出されたら抵抗を感じる人は多いはずです。
反対に日本人は納豆好きが多いですが、世界規模で考えれば食べられない外国人のほうが多いでしょう。たかだかそれだけの感性の違いです。
そして食文化は、育ってきた環境によって大きく左右されることがあります。
結婚当初、私の妻は納豆を食べませんでしたが、それは単に彼女が納豆を食べない家庭で育ったからです。私が食べるので一緒に食べるようになり、「こんなにおいしかったんだ」と話していました。
成長とともに味覚が変われば、食べられるものも増えてくるでしょう。

楽しく食事をするほうが、ずっと意味がある

私にとっては「残さず食べる」ことはそれほど大事なことではなかったので、息子たちにそのようなことを伝えたことはありません。
とくに次男は好き嫌いが多く、自分の決めたものや好きなものばかり食べる子でしたが、妻もそれを直そうとか、無理に食べさせようという気持ちはなかったので、問題になりませんでした。
残さずに食べることを子どもに課し、食事が楽しくない場になるくらいなら、食事が楽しいことのほうがよっぽど有意義だと私は思います

余談ですが、大人になってからニラには炒め物があるのだと知り、初めて食べたレバニラ炒めには感動しました(実家ではニラはお浸ししか出なかったのです……)。
同じ食材でも調理法によって食べられるようになることもありますから、気楽に構えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

好き嫌いの是非より、食事の楽しさを知ることのほうが大切

書籍『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』について

麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること

¥ 1,540

(2021/03/05 時点)

宿題、定期テスト廃止。固定担任制も撤廃。服装・頭髪検査はおこなわない。公立中学校とは思えない数々の学校改革で注目を集める元・千代田区立麹町中学校校長・工藤勇一先生(現・横浜創英中学・高等学校校長)が、子育ての「当たり前」について考えてみたのが本書です。
多くの親御さんは、日々、さまざまなことに悩みながらお子さんと向き合っていることでしょう。
でも、きっと大丈夫。一番大事なことは何かを考えたら、そんなに気にすることじゃないかもしれません。
本書には、麹町中でなくても実践できる、子育ての心構えが詰め込まれています。
不安を抱えて育児に奮闘する皆さんの心を、ふわっと軽くする1冊です。

(文:工藤 勇一『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』(かんき出版)より一部抜粋/加筆修正:マイナビ子育て編集部)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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