
じゃがいもダイエットの実践方法|食べ方の注意点とお手軽レシピ
ダイエット中は避けた方がよいと考えられがちな食材のじゃがいも。でも、調理方法や食べ方によってはダイエット中でも食べられます。ただし、食べすぎはNG。ダイエット中に食べる時の目安量や調理方法、食べ方のコツを詳しく解説します。
- じゃがいもは太る?実はダイエットにおすすめな食材
- じゃがいもの食べ方を知れば、太りません!
- じゃがいもに含まれる栄養素
- 抗酸化作用のある「ビタミンC」が豊富!
- むくみを防ぐ「カリウム」が豊富!
- 腸内環境を整える「食物繊維」が豊富!
- ダイエット中におすすめのじゃがいもの食べ方
- じゃがいもは満腹感MAX!主食として少量食べる
- 「皮ごと」食べればビタミンCを逃さない!
- 冷やして食べて血糖値の上昇を穏やかに
- ダイエットで摂るときの注意点
- やはり食べ過ぎはNG
- 一緒に摂る油の量と質に注意!
- 緑色のじゃがいもや芽は取り除く
- 冷蔵庫で保存しない
- 簡単おいしいじゃがいものダイエットレシピ3選
- 塩麴ポテトサラダ
- じゃがいものガレット
- じゃがいものミルクスープ
- まとめ
じゃがいもは太る?実はダイエットにおすすめな食材


なんとなく太りそうなイメージのじゃがいもですが、ダイエット中、食べても良いのでしょうか?
じゃがいもの食べ方を知れば、太りません!
じゃがいもは、糖質が多くて太りそうなんて思っていませんか?たしかに、調理方法によっては太りやすい食材ともいえますが、太らない食べ方を知れば腹持ちもよく、実はダイエット中にもおすすめの食材なんです。
じゃがいもに含まれる栄養素

ダイエット中に積極的にとりたい栄養素がじゃがいもには豊富に含まれています。
抗酸化作用のある「ビタミンC」が豊富!
じゃがいもは、活性酸素の発生を抑え、活性酸素により生じたダメージの修復・再生を促す働き(抗酸化作用)がある「ビタミンC」を豊富に含んでいます。ビタミンCというと、果物に豊富というイメージですが、じつはじゃがいも(生)100g中にはビタミンC28mgが含まれ、りんご(生)100g中に含まれるビタミンCの約5倍も含まれています[*1,2]。
その他、じゃがいもには、抗酸化作用がある機能性成分のカロテノイドやポリフェノール一種クロロゲン酸も含まれています[*3]。
むくみを防ぐ「カリウム」が豊富!
朝起きたら顔がパンパン、夕方になると足が象みたいと、むくみが気になる人におすすめの栄養素「カリウム」もじゃがいもには豊富に含まれています。カリウムは体内のナトリウムを排出し、塩分の調節、むくみや高血圧を防ぎます。
じゃがいも(生)100g中のカリウムは420mgで、これはカリウムが豊富といわれるバナナ(生)100gに含まれる量の1.2倍です[*1,4]。
腸内環境を整える「食物繊維」が豊富!
じゃがいもには、第六の栄養素とも呼ばれる食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は体内では消化・吸収できないのでエネルギーにはならず、体内の不要なものを排出するのに役立ちます。また、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やすことで、腸内環境をととのえる働きも期待できます[*5]。
じゃがいも(生)100g中には食物繊維9.8mgが含まれ、これはキャベツ(生)100gに含まれる食物繊維の約5倍です[*1]。
ダイエット中におすすめのじゃがいもの食べ方

ダイエットを効率的に進めるために知っておくべき、太らないためのじゃがいもの食べ方について説明します。
じゃがいもは満腹感MAX!主食として少量食べる
6つの食品カテゴリー(果物、パン類、スナック菓子、その他の炭水化物が豊富な食品、タンパク質が豊富な食品、朝食用シリアル)に分けられた38の食品の満腹感を240 kcal分の量で比べた結果、ゆでたじゃがいもの満腹感がもっとも高く、じゃがいもはクロワッサン約の7倍の満腹感をもたらしたという報告があります[*6]。
ただし、食べすぎはやはり禁物。じゃがいもは、血糖値が上がりやすい食品です。なんと、1カップのじゃがいもは、コーラ1缶と同じぐらい血糖値に影響すると言われることも[*7]。
ですから、じゃがいもは野菜にカウントせず、主食として少量食べるようにしましょう。
「皮ごと」食べればビタミンCを逃さない!
じゃがいもはその品種や収穫時期によって含有するビタミンCの量が異なりますが、食べるときのビタミンC量は調理方法によっても影響を受けます。たとえば、皮ごと茹でたじゃがいもの場合は残っているビタミンCは元の約80%、ハッシュドポテトの場合は約30%だったとする報告があります[*8]。
また、じゃがいもの皮をむくと、ビタミンCだけでなく、ビタミンB群、カリウム、カルシウムなど、水溶性の栄養素の多くが失われる可能性も。
じゃがいもは、たっぷり含まれているビタミンCをなるべく逃さないよう、よく洗ってから調理して「皮ごと食べる」のがおすすめです。
冷やして食べて血糖値の上昇を穏やかに
さきほど血糖値が上がりやすいと解説したとおり、じゃがいもはGI(グリセミック指数)が高い食品です。GI値は高いほど食後の血糖値を上げやすく、低いほど上げにくくなります。しかし、食べ方を工夫することで、食後の血糖値を上げにくくすることもできます。
糖質に含まれるでんぷんは、一度加熱した後冷ますことで、食物繊維に似た消化されにくい「レジスタントスターチ」に変化します。レジスタントスターチは消化されにくいため、血糖値の上昇が穏やかになる効果が期待できます[*9,10]。ダイエット中に食べるなら、加熱したあと冷やして食べるのがおすすめです。
ダイエットで摂るときの注意点

じゃがいもを食べても太らないために、ダイエット中に食べるときの注意点についてお伝えします。
やはり食べ過ぎはNG
じゃがいもにはダイエット中におすすめな栄養素や機能性成分が含まれますが、やはり食べすぎは禁物。女子栄養大学で考案された食事法の四群点数法では、じゃがいもは、1日に1個(110g。80kcal)とすることが推奨されています[*11]。
一緒に摂る油の量と質に注意!
たっぷりのバターやサワークリーム、ベーコンと一緒にじゃがいもを食べたり、植物油で揚げたカリカリのフライドポテトはとてもおいしいものですが、肥満や糖尿病、心臓病につながる可能性があることがわかっています。
では、どんな調理法でとるのがよいのでしょう。最良の調理方法は、「油分は使わずじゃがいもをそのままの形で加熱する」こと。じゃがいもを皮付きのまま丸ごと焼いたり、電子レンジで加熱すれば、余計な油分を摂らずに済むうえ、失われる栄養素の量を最小限に抑えられるでしょう。次に良い方法は皮がついたまま蒸す方法です。
とはいっても、加熱したじゃがいもをそのまま食べるのは味気ない、何か一緒に油分を摂りたいという人は、エキストラバージンオリーブオイルにするのがおすすめ。オリーブオイルは、さきほど説明した健康的でない油脂とは逆に、心臓病、糖尿病などの予防などに役立つと考えられています。
なお、一般的に加工品は家庭で調理されたじゃがいもよりもビタミンC量が少ないことも報告されています[*8]。やはり食べるなら、フライドポテトを買ってきて食べるのではなく、自宅で生から上記のような方法で調理したものにするほうがおすすめです。
緑色のじゃがいもや芽は取り除く
じゃがいもは太陽光線が当たると芽が出たり、皮が緑色に変わったりすることがあります。この部分には天然毒素のソラニンやチャコニンが多く含まれているので、しっかりと取りのぞきましょう。
紙袋や段ボールなどに入れて光が当たらない冷暗所での保存がおすすめ。りんごと一緒に保存すると、りんごから発生するエチレンガスが、芽が出るのを抑えてくれます。
冷蔵庫で保存しない
じゃがいもを長期間冷蔵庫で保存すると、糖分が増えます。糖分が増えたじゃがいもを炒めたり、揚げたり、焼いたりすると、健康に悪影響が生じる可能性がある「アクリルアミド」という有害物質ができやすくなります。
冷蔵庫で保存したじゃがいもは、炒めたり、揚げたり、焼いたりするのは避け、煮る、蒸す、ゆでるといった調理方法で食べましょう[*12]。水を利用した調理であれば、アクリルアミドはできにくくなります。
簡単おいしいじゃがいものダイエットレシピ3選


ダイエット中にじゃがいもを食べたい方におすすめの簡単レシピを3つ紹介します。
塩麴ポテトサラダ
エネルギー114kcal 糖質23.1g(ともに1人分)
材料(2人分):
じゃがいも小2個、にんじん1本、塩麴大さじ1/2、こしょう適量
作り方:
【1】じゃがいもとにんじんは皮つきのまま、スッと竹串が通るまで蒸し器で蒸す
【2】じゃがいも、にんじんをボールに入れ、ポテトマッシャーでつぶす
【3】塩麹、こしょうを加えてよく混ぜ合わせる
ポイント:
冷やして食べることで血糖値の上昇をおだやかにしてくれます。マヨネーズを使わないので脂質もカットでき、通常のポテトサラダより低カロリーに仕上がります。
じゃがいものガレット
エネルギー94kcal 糖質15g(ともに1人分)
材料(2人分):
じゃがいも小2個、塩・こしょう適量、オリーブオイル小さじ1
作り方:
【1】じゃがいもは皮をむき、せん切りにし、塩・こしょうで味をつける
【2】フライパンにオリーブオイルをしき、じゃがいもを加え、丸い形に整え、フライ返しで表面を押しながら、焦げ目がつくまで中火でじっくりと焼く
【3】焦げ目がついたら、裏返し同じようにじゃがいもに火が通るまで焼き上げる
ポイント:
少なめのオリーブオイルでじっくりとせん切りにしたじゃがいもを固めながら、カリカリに焼いていきます。じゃがいもを水にさらすと固まりにくくなるので注意。ビールにもワインにもあう低カロリーなおつまみです。
じゃがいものミルクスープ
エネルギー111kcal 糖質22.1g(ともに1人分)
材料(2人分):
じゃがいも小2個、玉ねぎ1/2個、コンソメ1個、スキムミルク大さじ2、水300ml、塩こしょう適量
作り方
【1】じゃがいもは半月切り、玉ねぎはスライスにする
【2】水にじゃがいもと玉ねぎ、コンソメを加え、フタをして中火にかけ、3~4分加熱する
【3】じゃがいもに火が通ったら火を止め、スキムミルクを加えて溶かし、塩こしょうで味をととのえる
ポイント:
最後にスキムミルクを加えることで焦げにくく、低脂質・低カロリーなスープに仕上がります。水にさらさずにじゃがいもを煮るのでビタミンCの損失も防げます。
まとめ
意外とダイエットに役立つじゃがいもの栄養素や機能性成分、そして、太らないための調理方法や食べ方について紹介しました。満腹感も得られやすい食材ですが、食べすぎには気をつけながら、ダイエット中の食事にとりいれていきましょう。
(文:木下ともえ)
※画像はイメージです
[*1]日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*2]厚生労働省:e-ヘルスネット 活性酸素と酸化ストレス
[*3]ジャガイモの抗酸化物質
[*4]長寿科学振興財団:健康長寿ネット カリウムの働きと1日の摂取量
[*5]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
[*6]一般的な食品の満腹指数
[*7]ハーバード大学公衆衛生学部 じゃがいもの問題
[*8]さまざまな方法で調製されたジャガイモのビタミンC
[*9]レジスタントスターチの栄養・生理機能
[*10]シドニー大学 GIに関するFAQ
[*11]女子栄養大学の食べ方ガイド
[*12]農林水産省: 安全で健やかな食生活を送るために ~アクリルアミドを減らすために家庭でできること~
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます