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2021年03月24日 10:15 更新

卵ダイエットは1日何個まで 効果が出る食べ方と簡単レシピ

卵は完全栄養食品と呼ばれるほど優秀な食材。でも、ダイエットにはどう役立てれば良いかわからないという人は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では卵のダイエット効果とおすすめの食べ方・調理法やレシピを紹介します。

卵がダイエットに向いている理由

目玉焼き
Photo by Isabelle Rozenbaum on Unsplash

卵でダイエットに成功しましたか?

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2021年3月3日~3月11日 調査人数:143人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋

※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。

卵は以下の3つの理由でダイエットに向いているといえます。

ダイエットをサポートしてくれる成分が含まれる

卵には、ダイエットをサポートしてくれる以下のような成分が含まれています。

たんぱく質:筋肉など、体の構成成分の材料として重要な栄養素[*1]

レシチン:脂質代謝を活発にして、肝臓で脂質が蓄積されるのを防ぐ[*2]

そのため、上手にとりいれると効率よくダイエットを進められると考えられます。

栄養豊富なので健康的に痩せられる

卵は「完全栄養食品」と呼ばれるほど様々な栄養をバランスよく含む食品。食事量が減り栄養バランスが崩れがちなダイエット中にもおすすめです。

とはいえビタミンCや食物繊維など、含まない栄養素もあるので、卵だけ食べていればOKというわけではありません。あくまで「上手にとりいれる」ことで、健康的なダイエットを助けてくれます。

お財布に嬉しいお手頃価格で続けやすい

卵は「物価の優等生」という別名もあるほど、価格がほとんど高騰しない食品です。どんなにダイエット向きな食品でも値段が高いと毎日食べるのは難しいものですが、卵ならそんな心配も不要です。

健康的なダイエットに役立つ卵の栄養

健康的なダイエットに役立つ卵
Lazy dummy

卵がなぜ健康的なダイエットに役立つのか、まずはその栄養価について解説します。

健康的なダイエットに必須の栄養素「たんぱく質」豊富

卵に含まれるたんぱく質には以下のようなメリットがあります。

■手軽なたんぱく質の供給源として便利
ダイエット中に陥りがちなのが、食事量を減らしすぎることで脂肪だけでなく筋肉まで減り、代謝が落ちてしまうというもの。

そんな筋肉減少を避けるためには、毎食たんぱく質をとることが大切です。卵1個(可食部50g)には6.1gのたんぱく質が含まれており、手軽にたんぱく質を補給できます[*3]。

もちろん卵を食べるだけで筋肉が増えるわけではありませんが、筋トレなどの運動も取り入れつつ卵などから適度なたんぱく質をとることで、筋肉を増やし基礎代謝を高めるのに役立つでしょう[*4]。

■たんぱく質は「食事するだけでも消費されるエネルギー」が多い
食事をすると、体内に吸収されたエネルギーの一部は熱として消費されます。これは「食事誘発性熱産生」(DIT)とよばれていますが、このDITで消費されるエネルギー量は栄養素によって以下のように異なります[*5]。

【DITで消費するエネルギーの消費比率】
・たんぱく質のみ 摂取エネルギーの約30%
・糖質のみ 同 約6%
・脂質のみ 同 約4%

卵はたんぱく質を多く含む食材なので、このDITも比較的高めであると考えられます。

■体内で効率よく利用されやすい
たんぱく質は多くのアミノ酸がつながってできていますが、中でも人間の体内で合成できない9種類のアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれています。卵にはこの必須アミノ酸がバランスよく含まれており、体内で効率よく利用されやすいたんぱく源だといえるでしょう。

脂質代謝を助ける「レシチン」を含む

卵の黄身部分に含まれる「レシチン」という成分には、以下のような作用が期待されています[*2]。

・余分なコレステロールが血管壁に溜まるのを防ぐ

・HDLコレステロール(善玉)を増やすことでLDLコレステロール(悪玉)を減らす

・レシチンの構成成分「コリン」が肝臓で脂質代謝を助けることで脂肪肝などを予防する

このように卵には、コレステロールや脂肪肝などを予防したい人にとってメリットが期待できる成分が含まれているのです。

ダイエットにおすすめの卵のとり入れ方

ゆでたまご
Lazy dummy

卵をダイエットに役立てるための方法をお伝えします。

主食の前に食べることで血糖値の急上昇を予防

ダイエットをスムーズに進めるためには、「卵を主食の前に食べる」ことがおすすめです。

主食などの糖質を含む食品には、血糖値を上げやすいという特性があります。しかし糖質を食べる前にたんぱく質や脂質をとると、腸管から分泌されるホルモンの働きで胃の内容物が小腸へ移動するスピードを遅らせることができます。すると血糖値を下げるホルモンの分泌が促進されるため、血糖値の急上昇が抑制されると考えられています[*6]。

卵のようにたんぱく質や脂質が豊富な食材を使った主菜や副菜を、主食の前に食べることで上記のような効果を得られると考えられるのです[*7]。

1日の摂取量は1~2個がおすすめ

一昔前までは「コレステロールが多い卵は1日1個までしか食べてはいけない」という説もありましたが、最近ではこの説は否定されています。なぜかというと、コレステロールは、食事から摂取される割合よりも体内で合成される割合のほうが高いためです。

また、卵黄のレシチンという成分はHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増やすことで、むしろLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げると考えられています[*8]。

しかし、だからといって卵ばかりを大量に食べていると他の食品を食べることができず栄養が偏るリスクがあるので、基本は1日1~2個として、多くても3個くらいまでを目安にすると良いでしょう。

おすすめの調理法はゆで卵

ダイエット中に卵を食べるときのおすすめの調理法は、ゆで卵です。固めにゆでるとたんぱく質がしっかり固まるため、ゆっくりよく噛んで食べることができます。よく噛むと腹八分目でも満足できるので、ダイエットに向いているというわけです[*9-10]。

もちろんゆで卵が苦手な人は他の調理法でも大丈夫。調理法別のダイエット向きの食べ方は以下の通りです。

<ダイエット中の卵のおすすめの食べ方>

ゆで卵:油を使用しないので最もおすすめ。固ゆでにするとよく噛んで食べられるのでダイエット向き。

スクランブルエッグやオムレツ:野菜やきのこ類をたくさん入れて固めに仕上げる。

玉子焼き:砂糖は入れないかごく少量に。だしをきかせた「だし巻き玉子」にするのがおすすめ。

とろっとした半熟のスクランブルエッグは速食いにつながりやすいので、噛み応えのあるにんじんなどの根菜を入れるなどの工夫をして、意識的によく噛むようにしましょう。

他にも、目玉焼きやオムレツなどの焼く工程がある料理の場合、油やバターを使うとその分高エネルギーになるため、フッ素加工のフライパンなどを使用してノンオイルで作るのが理想的です。

おやつがやめられない人は間食としてとるのもおすすめ

おやつを食べる習慣がある人の場合は、間食をゆで卵1個に置き換えるのもおすすめです。

卵の糖質は1個あたり約0.2gと非常に少ないので、スイーツやスナック菓子よりも低糖質。よく噛んで食べることで満腹感も得られるため、「もう少し何か食べたいな」と他のお菓子に手が伸びるのも防止することができます。

卵をダイエット中にとるときの注意点

ウエスト周りが気になる女性
Lazy dummy

卵は栄養豊富でダイエット中におすすめですが、注意してほしい点もあります。

卵のみダイエットはNG

芸能人の経験談などで気になっている人もいるかもしれませんが、「ゆで卵だけをひたすら食べ続ける」といういわゆる単品ダイエットはしないようにしましょう。

いくら卵が栄養バランスの良い食品だといっても、ビタミンCや食物繊維など含有量が少ない成分もあるため、卵だけを食べるような食生活では必要な栄養が不足して健康を害してしまう恐れがあるためです。

主食・主菜・副菜の揃ったバランスの良い食事を3食とることを基本として、その中の主菜に卵を使った料理をとりいれると良いでしょう。

食べ過ぎない

卵は1個(可食部50g)で約71kcalあります[*3]。そこまで高エネルギーな食品というわけではありませんが、食べ過ぎれば余ったエネルギーは脂肪として蓄積されてしまいます。健康に良いからといってたくさん食べ過ぎないように気をつけましょう。

スムーズにダイエットを進めよう!卵が主役の簡単レシピ3選

だし巻き卵
Lazy dummy

手軽に調理できるのが魅力の卵。ダイエット中におすすめの簡単なレシピを3つ紹介します。

血糖値の急上昇予防を目指す!ゆで卵の酢醤油漬け

エネルギー78kcal、糖質 0.5g(ともに1個分)

材料(作りやすい分量):卵 4個、酢 大さじ4、醤油 大さじ1.5

作り方
【1】 鍋に常温の卵とかぶるくらいの水を入れて火をつける
【2】14分間加熱したら冷水にとって殻をむく
【3】密閉できるビニール袋に、殻をむいたゆで卵と酢・醤油を入れてできるだけ空気を抜きながら封をする
【4】冷蔵庫で一晩漬ける

・ポイント:血糖値の上昇を緩やかにする働きが期待されているお酢を使ったレシピです。また、主食の前に食べることで血糖値の急上昇予防を目指しましょう[*7]。

電子レンジで手軽!ふわふわだし巻き卵

エネルギー177kcal、糖質 1.0g(ともに1人分)

材料(2人分):卵4個、薄口しょうゆ 小さじ1、水 大さじ5、顆粒和風だし 小さじ1、マヨネーズ 大さじ1/2

作り方
【1】 深めの保存容器に卵、薄口しょうゆ、水、顆粒和風だし、マヨネーズを入れてよく混ぜる
【2】 ラップをふんわりとかけて電子レンジ500Wで2分加熱する
【3】 レンジから取り出してよくかき混ぜて再度500Wで1分加熱する
【4】 レンジから取り出してもう一度かき混ぜてさらに500Wで1分加熱する
【5】卵の表面がかたまってきたらレンジ加熱をやめて、巻きすの上にひいたアルミホイルにのせてくるくると巻く(巻きすがない場合はアルミホイルのみでも巻けますが、熱いのでやけどに注意してください)

ポイント:レンジで手軽に作る砂糖なしのだし巻き卵です。マヨネーズを加えると、加熱したとき卵のたんぱく質が過度に固まるのを防ぐので、砂糖なしでもふわふわした食感に仕上がります[*11]。

鶏ひき肉で低脂質!アジアンスクランブルエッグ

エネルギー 186kcal、糖質 2.5g(ともに1人分)

材料(2人分):卵3個、鶏ひき肉40g、にら50g、玉ねぎ1/4個、ナンプラー大さじ1/2、鶏がらスープの素 小さじ1/2、サラダ油 小さじ1

作り方
【1】 フッ素加工のフライパンにサラダ油をひき、鶏ひき肉を加えて加熱する
【2】 カットしたニラと玉ねぎも追加して炒める
【3】 ナンプラーと鶏がらスープの素を加えてよく混ぜる
【4】溶いた卵液を回しいれ、菜箸でやさしくかき混ぜながら卵がかたまるまで加熱する

ポイント:脂質の少ない鶏ひき肉を使うことで、豚ひき肉を使う場合よりも低脂質に。ナンプラーのように特徴のある調味料を使うと、薄味でも満足感を得ることができます。

まとめ

卵がダイエットに向いている理由と卵に含まれる栄養、ダイエット中におすすめのとり入れ方や注意点について解説しました。
また、実際に卵をダイエットに取り入れたい人に向けて具体的な手軽レシピも3つ紹介しました。栄養豊富な卵を味方につけて、ダイエットを効率よく進めていきましょう!

(文:猪坂みなみ)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
[*2]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「レシチン・コリンの効果と摂取量」
[*3]日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*4]日経Gooday:筋肉合成のスイッチを強く押すのは、どんな食事・運動?
[*5]e-ヘルスネット 食事誘発性熱産生 / DIT
[*6]Meal sequence and glucose excursion, gastric emptying and incretin secretion in type 2 diabetes: a randomised, controlled crossover, exploratory trial
[*7]関西電力医学研究所 保健指導における「食べる順番」に重点をおいた食事指導の有効性を証明
[*8]一般社団法人 日本卵業協会 タマゴQ&A
[*9]国立健康・栄養研究所:「腹八分目」で満足できる食べ方はありますか?
[*10]eヘルスネット 速食いと肥満の関係
[*11]キユーピー「マヨネーズを加えると、ハンバーグがジューシーに、厚焼卵はふわっと仕上がる」

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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