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2021年03月24日 17:33 更新

ココアダイエットは痩せる? 効果が高まるおすすめの飲み方を解説

甘くて太りそうなイメージがあるココアですが、実は上手に選べばダイエット中に飲んでもOK。しかも健康や美容に良い効果も期待できます。ココアのダイエット効果と太りにくい飲み方・飲む時間帯のおすすめやアレンジレシピを紹介します。

ココアでダイエットできるって本当?

ココア
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ココアでダイエットに成功しましたか?

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2021年3月3日~3月11日 調査人数:143人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋

※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。

甘くて太りそうな印象のあるココアですが、以下のような理由で実はダイエット中に飲んでも大丈夫なのです。

ピュアココアなら意外と低エネルギー

そもそもココアとは、カカオ豆(カカオの木の果実の中にある種子)を粉砕して、焙煎後にすりつぶした「カカオマス」から脂肪分を取り除いたもののことです。

甘くて高エネルギーなイメージもあるココアですが、砂糖やミルクを含まないピュアココアだけなら、1杯(5g)あたりのエネルギーは19.3kcal(糖質は0.9g)と低エネルギー。ただし、甘いミルクココア1杯分(20g使用)は80kcal(糖質15.0g)なので、ピュアココアの約4倍のエネルギーがあります[*1]。

そのためダイエット中にココアを飲む場合におすすめなのは、前者の「ピュアココア」です。

ダイエットに役立つ成分が含まれる

意外と低エネルギーという点だけでなく、ココアには以下のようなダイエット中に嬉しい成分が多く含まれているため、上手にとりいれると減量をサポートしてくれると考えられます。

カカオポリフェノール:強い抗酸化作用を持つ成分。血管の健康維持や肌ダメージの抑制効果などが期待されている[*2]。

リグニン:不溶性食物繊維の一種。便秘予防や腸内環境改善に効果が期待できる[*3-4]。

テオブロミン:ココアやチョコレートの苦みや香りのもとになっている成分。摂取すると、癒しに関係する「セロトニン」という脳内ホルモンを増やすことでリラックス感が得られるといわれている。さらに毛細血管を刺激して全身の血流を促すことで、冷え性改善への効果も期待されている[*4]。

ダイエットを後押ししてくれるココアの成分

ココアの原料カカオ豆
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ココアに含まれている、ダイエットのサポートが期待できる成分についてくわしく解説していきます。

様々な健康効果が期待できる!カカオポリフェノール

ココアには「カカオポリフェノール」という成分が多く含まれています。ポリフェノールとは、多くの植物が持っている苦みや色素の成分で、自然界に5,000種類以上存在すると言われています。

様々な種類のあるポリフェノールですが、どれも強い「抗酸化作用」を持っているのが特徴で、そのためさまざまな健康効果が期待されています。

ココアに含まれるポリフェノールも、LDLコレステロールや血圧を下げたり[*5,7]、しみやそばかすなどの原因となる、紫外線による活性酸素を除去することで肌ダメージを抑制したりするのに役立つといわれています[*2]。

便通改善に!リグニン

ココアには、「リグニン」という不溶性食物繊維が多く含まれています。

不溶性食物繊維には、水分を吸収して便のカサを増やす作用があります。便が増えると大腸が刺激されて便が出やすくなるため、便通改善に役立ちます。また、大腸内の細菌によって発酵・分解されて、善玉菌のエサになることで善玉菌を増やすという作用もあるので、腸内環境の改善にも役立つ成分です[*8]。

さらにリグニンは、他の不溶性食物繊維であるセルロースやヘミセルロース(植物の細胞壁の構成成分)などと比べても体内で消化されにくいという性質があり、その約8割もの量が便に排出されるといわれているため、より強い便通改善効果が期待されています[*9]。

リラックス効果!テオブロミン

ココアに含まれている「テオブロミン」という苦み物質には、リラックスなどの効果があるといわれています[*4,10]。

ダイエット中はいろいろ我慢しなければいけないことも多いものですが、ココアによりリラックスできたら、そんなストレスが少し和らぎそうですよね。

また、テオブロミンには、毛細血管を刺激して全身の血流を促すことで冷え性を改善する効果も期待されているので、冷えが気になる人の役に立つ可能性もあります[*4]。

なお、マウスの実験では、テオブロミンには脂肪の蓄積を抑制する効果があることもわかっています。ヒトで同様の効果があるかはまだわかりませんが、もし人体でも同じように働くとしたらうれしいですね。

ダイエットしたい人向けのココアのとり入れ方

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早速ココアをとり入れてみたいと思った人のために、ダイエット中におすすめのココアの飲み方をお伝えします。

ピュアココアからつくる

ダイエット中にココアを飲むうえで最も気を付けたいのは、カフェやコンビニで売られている甘いココアは避け、自分でピュアココアからつくるようにするという点です。

なぜかというと、市販のココアは糖分がたっぷり入っており糖質のとり過ぎにつながりやすいためです。例えばカフェチェーンの「ホットココア(ミルク)トールサイズ(350ml程度)」は、1杯で約400kcal(炭水化物は50g程度)とコンビニのおにぎり約2個分ものエネルギーがあります。ダイエット向きの飲み物ではないので、減量中は避けるようにしましょう。

ただしピュアココアはとても苦いので「自分で作ったことがあるけれど、苦くてそのままでは飲めなかった」という人もいるかもしれません。そんな時は、砂糖よりも血糖値を上げにくいはちみつを少量混ぜて甘みをプラスするのがおすすめです。

おすすめの量は1日2杯

1日に飲む量は、2杯まで(純ココアで10g分)にするのが良いでしょう[*11]。飲み過ぎると脂質やカフェインなどのとり過ぎを招く可能性もあるため、飲み過ぎないように気をつけましょう。

おすすめのタイミングは食事前

ダイエット中にココアを飲むタイミングのおすすめは、「食事前」です。

食事の前にココアを飲むことで、食物繊維により糖の吸収がおだやかになり、体重増加を防ぐ効果が期待できるからです。

また、脂質などの栄養素が小腸に入ると、腸管から「GLP-1」というホルモンが分泌されます。このホルモンには、血糖値が上がったときにインスリンの分泌を促進させる作用のほかに、胃の動きをゆるやかにすることで血糖値の上昇をおだやかにしたり、食欲を抑制する作用があるとも言われています[*12]。食事の前に脂質の豊富なココアを摂ることで、このような効果も期待できるかもしれません。

特に脂肪蓄積しやすい夜の時間帯である「夕食前」にココアをとることで自然と食べ過ぎを防止できれば、減量のサポート効果が期待できるでしょう。ただし砂糖をたくさん入れると逆効果になるので注意が必要です。

ダイエット中にココアを飲むときの注意点

体重が気になる女性
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健康に良い効果が期待できる成分を含むココアですが、飲むときには以下の点に注意が必要です。

大量に摂取するのは避ける

ココアの原料であるカカオには、テオブロミンやカフェインなどの成分が含まれています。これらには、ここまでで説明したようにダイエットにうれしい作用がある一方で、気管支拡張作用、利尿作用、興奮作用などがあるため、摂りすぎには注意が必要です。

これらの作用がどのくらい影響するかは個人差が大きいと言われていますが、特に妊娠中や授乳中の人、子供が大量に飲むのは控えましょう[*10, 14]。

また、ぜんそくや気管支炎などの持病がある場合も、テオブロミンやカフェインは薬の作用に影響する可能性があるため、事前に医師や薬剤師に相談するようにしましょう[*14, 15]。

ダイエット中におすすめ! ココアのレシピ3選

ココア
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日々の食事にココアをとり入れるための具体的なレシピが知りたいという人に向けて、ダイエット中におすすめのココアレシピを3つ紹介します。

大人のほろにが豆乳ココア

エネルギー95kcal、糖質8.3g(ともに1人分)

材料(1人分):ピュア(純)ココア 5g、はちみつ 小さじ1/2、無調整豆乳150ml

作り方
【1】小鍋にピュアココアとはちみつ、水 大さじ1(分量外)を入れて弱火にかけながらよく混ぜる
【2】豆乳1/4程度を加えてペースト状になるまで練る
【3】かき混ぜながら残りの豆乳を3回に分けて加えて、沸騰直前に火を止める

ポイント:砂糖よりも血糖値の上昇度合いがゆるやかなはちみつを使うことで、ダイエット向きに。豆乳をプラスすることで苦みも抑えられます。

手軽にティラミス風!ヨーグルトのココアパウダーがけ

エネルギー114kcal、糖質5.1g(ともに1人分)

材料(1人分):ピュア(純)ココア 5g、ギリシャヨーグルト100g

・作り方:
【1】器にヨーグルトを盛り付けてピュアココアを振りかける

ポイント:ギリシャヨーグルトは、プレーンヨーグルトを一晩水切りしてつくってもOK。腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善する働きが期待されているヨーグルトと合わせることで、便通改善効果UPを狙う組み合わせ。

冷えが気になる人に!ホット生姜ココア

エネルギー119kcal、糖質8.5g(ともに1人分)

材料(1人分):ピュア(純)ココア 5g、生姜(すりおろし)少々、牛乳150ml

作り方
【1】 鍋にピュアココアと牛乳1/4を入れて火にかける
【2】よく練ってココアが溶けたら、残りの牛乳と生姜も加えてよくかきまぜながら加熱する

ポイント:ココアには、冷え性改善効果が期待されています[*16, 17]。さらに、東洋医学の考え方で体を温めるといわれる生姜[*18]もプラスして、代謝が下がりがちなダイエット中も冷え予防を目指すレシピです。

まとめ

ココアに含まれる栄養成分の解説と、ダイエット中におすすめの飲み方・注意点についてお伝えしました。ココアには健康や美容に良いと期待されている成分が多く含まれていますが、摂りすぎるとかえって脂質や刺激の強い成分の過剰摂取につながるため注意が必要です。上手に活用することでダイエットをスムーズにすすめていきましょう。

(文:猪坂みなみ)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*2]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「ポリフェノールの種類と効果と摂取量」
[*3]日本チョコレートココア協会 チョコレート・ココアにはどのような成分が含まれていますか?
[*4]あいち産業科学技術総合センター 食品工業技術センター カカオ製品の生理効果
[*5]Flavonoid-Rich Cocoa Consumption Affects Multiple Cardiovascular Risk Factors in a Meta-Analysis of Short-Term Studies
[*6]Effect of cocoa on blood pressure
[*7]Cocoa flavanol intake improves endothelial function and Framingham Risk Score in healthy men and women: a randomised, controlled, double-masked trial: the Flaviola Health Study
[*8]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「食物繊維のはたらきと1日の摂取量」
[*9]森永製菓:COCOA REPORT ココアの便通および便臭改善効果 
[*10]日本チョコレート・ココア協会:チョコレート・ココア健康講座  チョコレート・ココアには「カフェイン」が含まれていると聞きますが、子供や妊婦が食べても大丈夫ですか?
[*11]日本チョコレート・ココア協会「チョコレート・ココアは1日にどれくらい食べると健康によいですか?」
[*12]関西電力医学研究所 保健指導における「食べる順番」に重点をおいた食事指導の有効性を証明
[*14]独立行政法人 国民生活センター:高カカオをうたったチョコレート(結果報告)→P.4
[*15]一般社団法人くすりの適正使用協議会:くすりと食品の相互作用「カフェイン」
[*16]滋賀県立大学 人間文化学部 生活栄養学科教授 灘本知憲 「ココアによるヒト体表温の冷え改善効果」
[*17]第8回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(2003)南雲久美子「ココアの冷え性改善効果」
[*18]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「低体温」

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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