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【第2話】「個性的な女 vs あざとい女」勝つのはどっち? 順調だった恋に予期せぬ強敵が登場

#未恋~かくれぼっちたち~考察

菜本かな

恋愛ドラマウォッチャーでライターの菜本かなさんが、『未恋~かくれぼっちたち~』(カンテレ・フジテレビ)を毎週考察&展開予想するコラムです。出版社のマンガ編集部を舞台にZ世代たちの群青劇を描いた本作。恋に仕事に悩む “かくれぼっち”な彼らに待ち受ける未来とは――?

※本コラムは『未恋〜かくれぼっちたち〜』第2話までのネタバレを含みます。

©カンテレ

みなみの“忘れられない女”感がすごい!

光の速さで交際をスタートさせた健斗(伊藤健太郎)とゆず(弓木奈於)。会社では交際を隠し、ただの“漫画家と担当編集者”としてふるまうとか、めちゃくちゃ楽しいやつですよね!? いわば、健斗とゆずは共犯者のようなもの。バレてしまったらどうしよう……というスリルを抱えながらも、ニヤニヤが止まらないはず!

しかし、幸せの絶頂はそう長くは続きませんでした。健斗が働く『コミックブーン』編集部に、健斗の“忘れられない女”ことみなみ(愛希れいか)が派遣社員としてやって来てしまったのです。

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健斗とみなみの出会いは、6年前に開催された小説家育成合宿プロジェクト(通称:カンヅメ屋敷)。当時のみなみは他人と関わるのが苦手で、みんなが集まっている場所から逃げて、ひとりで倉庫に引きこもっていました。その姿は、まるで地縛霊のよう。ただ、「地縛霊ですか?」とツッコミを入れる健斗も健斗ですよね。「人です」と即座に言い返すみなみも強すぎる。

そんな変わり者のみなみの心を、健斗はいとも簡単に(?)解きほぐしていきます。「理解したくないし、理解されたくない」と他人を遠ざけてきたみなみが、「昔から変わり者とか異端児みたいな扱いを受けてて、どうせ誰からも理解されないと思っているので、理解する人を拒絶するクセがあるんですね」と本心を明かすことができたのは、健斗だからだと思います。

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健斗って、いい意味で他人に興味がなさそうなんですよね。そういう相手の方が、いろいろ相談しやすかったりしませんか? どんなことを話しても、絶対に言いふらしたりしないだろうし、態度を変えることもなさそう。

あと、言葉のチョイスもオシャレなんですよ!! 「ひとりでいた方がラクなんだけど、ひとりは寂しくて。その矛盾が、心のなかでこう、なんていうか……」とつぶやいたみなみに、「理解されたくないところ失礼ですけど、理解できます」と返した時、思わず泣きそうになっちゃいました。こんなことを言われたら、ガチで共感してくれているんだな……って思いますよね。まったく、健斗は罪な男だ!

そして、みなみの“忘れられない女”感もすごすぎます。個人的に、男性が忘れられない女って、大きく分けて2パターンあると思うんですよ。

ひとつ目は、全力で尽くしてくれる女。これは、2004年放送のドラマ『プライド』(フジテレビ系)の台詞から引用するなら、“古き良き時代の女”ってやつですね。令和にはそぐわないし、一歩間違えたら都合のいい女になってしまう可能性もありますが、別れたあとに「もっと大事にしておけば良かったな」と思われるのが、このタイプの女性。

ふたつ目は、みなみのような唯一無二の個性を持っている女です。このタイプは、悪く言えば変わり者かもしれないけれど、良く言えば替えがきかないんですよね。例えるなら、2010年放送のドラマ『美丘-君がいた日々-』(日本テレビ系)の吉高由里子さんみたいなキャラクターです。

何をしでかすのか分からないから、目が離せないやつ。だから、男性は次にほかの女性と付き合ったとしても、ちょっぴり物足りなさを感じてしまうんですよね。「あの刺激が恋しいなぁ」って。

「個性的な女 vs あざとい女」勝つのはどっち?

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みなみの強みが個性的なところにあるとするなら、ゆずはあざとさが強みですよね。ゆずを見ていると、頭のなかでFRUITS ZIPPERの『わたしの一番かわいいところ」が流れます。

ゆずって、“わたしってかわいい”と認識していないとできない行動をしまくっているんですよ(めちゃくちゃかわいいので、ただいいんですけど)。

例えば、健斗とみなみの間に“何か”ありそうな空気を察知したら、唇をキュッとしめてキュートに睨みつけるとか。嫉妬心をあらわにする女はめんどくさいと言われがちだけれど、何も言わずに不機嫌になるよりは、ゆずみたいに「元カノ? 誰なんです? 知り合いの呼び捨て女を同じ会社に入れたんですか!?」とストレートに問いただしてくれた方が良くないですか??(男性のみなさん、教えてください!)

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そして、ゆずはとにかく喜怒哀楽が表情に出る。だから、健斗もゆずを笑わせるために頑張りたくなるんだと思います。

あと、ただあざといだけの女は警戒されちゃうかもしれないけれど、ゆずの場合は不器用で素直じゃないところがあるから、ほっこりしますよね(これも、計算だったら怖いけど)。

本当は健斗の後ろ姿を写真に撮っていたのに、本人にバレたら恥ずかしくなって「自撮りですけど!」とか強がっちゃう。そう言われた時の健斗、「やべぇ、こいつクソかわえぇぇぇぇえええ!」って顔になってました。

この流れでいくなら、健斗はゆずと結ばれるはず。ただ、健斗はみなみに心が揺れちゃうんだろうな……と思います。なぜなら、健斗のなかでみなみとの恋は終わっていないから。

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おそらく、健斗とみなみは付き合うまでには至らなかったと思うんです。ということは、始まってもいない。そういう恋って、心に残ったりしませんか? ほら、『silent』(フジテレビ系)の脚本家・生方美久さんも「『今までで、いちばん好きだった人は?』って聞かれると、たいがいは実らなかった恋の相手が浮かぶんだって」という台詞を書いていたし(わたしも、実らなかった恋の相手が浮かびました)!

でも、健斗がゆずを裏切る姿は見たくない……。だって、ゆずが「自撮りですけど!」と強がって言っちゃった時、「今度、その自撮り僕も入れてほしいです」とサラッと受け止めてくれたり、黒焦げのお弁当も「おいしい」って食べてくれたり、健斗って理想の彼氏すぎるんですよ! そのイメージが壊されてしまうのは悲しい!

©カンテレ

個性派な女 vs あざとい女、健斗の心を射止めるのはどちらなのでしょうか。ではでは、次回の放送でまたお会いしましょう!

(菜本かな)

※この記事は2025年01月23日に公開されたものです

菜本かな

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
Twitter:@kanawink

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