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大好きな彼氏と結婚したい。でも彼にはお金がなくて不安。どうする?

#令和のマネーハック

トイアンナ

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、トイアンナさん。

今回のお話「大好きな彼氏と結婚したい。でも彼にはお金がなくて不安。どうする?」

学生時代から付き合っている彼氏がいます。そろそろ結婚も考えたいのですが、不安なのが「お金」のこと。お給料は同世代と比べて普通でも、つい散財してしまうようで、よく「今月やばい!」と言っています。もうアラサーですし、お金の使い方を自分でコントロールできるようになってほしいのですが……。

彼のことは大好きですし、彼にも結婚願望はあるようですが、金銭感覚が不安で結婚についてなかなか切り出せません。どうしたら良いでしょうか?(20代/経理)

彼の金は、あなたの金にあらず

こんにちは、トイアンナです。結婚したいほど好きになった相手と、お付き合いできている。それだけで、かけがえのない奇跡だと思います。だからこそ、「金銭感覚の差」という現実の壁にぶつかって、悩んでいらっしゃるのですよね。

そして、夫ではなく「彼氏」だからこそ難しいのが、彼のお金は、あなたのお金ではないということです。「何を当たり前のことを言っているんだ?」と思うかもしれませんが、この事実を履き違えている彼女さんは世の中にたくさんいます。

ある女性の話をしましょう。彼女は結婚前に、彼の貯金が500万円あることを知っていました。ところが、彼はそのお金でクルマを買いたいと言い出したのです。彼女は結婚後のことを考えてほしいと、猛反対。その言い合いでつい、彼の貯金のことを「私のお金!」と言ってしまい、空気が凍ったそう。そのまま、彼から別れを告げられました。

結婚してから溜まったお金は共同財産になりえますが、独身時代のお金は100%彼のお金。つまり、彼女が口を出す権利はないのです。それなのに「なんでこんなことに散財するの?」と責めれば、彼から見たあなたはすてきな彼女から一転、カネ目当ての女に見えかねません。100年の恋も冷めて、お別れ案件になるリスクがあるのです。

彼は本当にお金遣いが荒いといえるのか

それでも、結婚後の生活を考えると「こんなお金の使い方をする人と結婚するなんて……」と不安になりますよね。だからこそ、目を向けてほしいのが「身の程知らずなお金の使い方をしているか」と、「なぜそこまでお金を使うのか」の2点です。

自分の金銭感覚だけで彼を見ているかも

まず、「お金遣いが荒い」と感じている彼のお金遣いは、本当に荒いのでしょうか? たとえば、彼のご実家が年商数億クラスの地主で、彼にも年間数千万円の賃貸料が振り込まれている場合。ちょっとやそっとの金遣いは問題になりませんよね。逆に、年収200万円なのにリボ払いでついブランド物の服を買ってしまうなら、金額が10万円でも問題といえるでしょう。

「お金遣いが荒い」と相談にいらっしゃる方は、ご自身の金銭感覚と、彼のお金遣いを比較しているケースがほとんどです。しかし、彼には彼の資金源があります。あなたのお財布事情とは前提が異なるのですから、お金遣いが荒く見えても「本当にそう言えるか?」とまずは考えてみてください。

フローよりストックを見よう

お金の世界では、給与所得など出入りするお金のことを「フロー」、そして、貯金など溜まっているお金を「ストック」と呼びます。もし給与など「フロー」が少なくても、貯金や資産である「ストック」が多ければ何の問題もありません。また、副業が当たり前になっている昨今、フローも1種類とは限りません。

彼の年収は副業も加味して、どれくらいでしょうか。彼のご実家も含めた資産状況はどうでしょうか。彼氏さんの年収ばかりに目を向けず、持っている資産の全体像を見て判断してみてください。

どうして彼のお金遣いが荒いのかを見てみよう

続けて見てほしいのが「どうして彼のお金遣いが荒いのか」というポイントです。結婚に最も向いていないお金遣いの荒いタイプは、見栄からお金を使います。自分が良く見られたい、尊敬されたいと考え、ぱっとお金を使ってしまうのです。このタイプは、結婚後も部下や知り合いなど「外面」を良く見せるために散財するため、家庭にお金を残せません。

続けて危ないのが「断れなくて買ってしまう」タイプ。店員さんからおすすめされて……保険外交員からプッシュされて……といった理由で売買や契約を決めてしまう彼は、人の借金を背負う可能性があります。いくら貯金しても、断れない事情で全財産をスッてしまえるため、大変危険です。

逆に、いま散財していても安心なのが「ストレスからわっとお金を使ってしまう」タイプの彼。原因は高負荷なストレスにあるのですから、原因を取り除けば彼の散財癖は止まります。ストレス源を察知して、あなたが除去してあげましょう。

最後に、「趣味に没頭したい」タイプは、良し悪しがあります。ご自身で使う金額をコントロールできていて、月◯万円までしか使わない、と計画的に散財できている彼なら全く問題ありません。結婚後、話し合って必要なら金額を下げていけるからです。逆に、少額でもコントロールできずに衝動買いしてしまうなら、結婚後もそのクセは続くと考えたほうがいいでしょう。

あなたの一言より、専門家の一言が効く

そして、彼の金銭感覚を変えたい場合……あなたの一言で彼は変わらない、と覚悟してください。身内から金銭感覚を責められると、誰しもイラっとするものです。私たちだって、彼から「この化粧品、ムダじゃない?」「こんなにバッグ持つ必要ある?」と指摘されたら、正論だとしても嫌な気持ちになりますよね。

ここは第三者であるFPや税理士など、専門家の力を借りてください。できれば「結婚後の生活を考えたいから、一緒にライフプランを相談しに行こうよ」と、信頼できるFPさんのところに誘うのがベストです。

ここではあなたのお金の使い方も、さらけ出して見せるのがコツ。彼のお金遣いを責めるのではなく「ふたりの」将来設計を提案することで、ポジティブにお金遣いを見直しましょう。

令和のマネーハック74

まず、彼は本当にお金の使い方が荒いといえるのか改めて考えてみよう。他人の金銭感覚を変えるのは難しいこと。二人の将来に本当に必要であれば専門家の力を借りてみて。

(文・トイアンナ、イラスト・itabamoe)

※この記事は2023年05月15日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。

●ブログ「トイアンナのぐだぐだ」
http://toianna.hatenablog.com/

●Twitter
https://twitter.com/10anj10

●公式サイト
https://renaijuku.co.jp/

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