お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

彼氏との収入バランスで悩んだ時、一番大切にすべきこと

#令和のマネーハック

ラブホの上野さん

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、コラムニストのラブホの上野さん。

今回のお話「収入差がある彼氏。結婚したら家庭に入った方がいい?」

男女の収入差が少なくなってきたとはいえ、パートナーの方が自分よりもかなり稼いでいる……という状況の人もまだまだいるのでは?

そんな時、「私のお給料ってそんなに意味ある……?」「いっそのこと、家庭に専念した方が彼も仕事に集中できて将来的にいいのでは?」なんて思ってしまうこともありませんか。「そんなにキャリアを積みたいわけでもないし……」「仕事をがんばる彼のサポートに回った方が効率的なんじゃない?」「でも専業主婦って……今の時代、正直どうなの?」いろいろな思いがめぐるこの問題。女性もキャリアを積むのが当たり前になっている令和の今ならではのこのお悩みについてどう考えれば良いのでしょうか。

今回の場合、テーマにある「将来」が経済的な意味を指すのであれば、これは単純な算数の問題になるでしょう。

例えば今の年収が300万円で、パートナーの年収が1,000万円だったとします。

もしも自分が仕事を辞め、全力でパートナーを支援することでパートナーの年収が1,300万円以上になるのであれば、今すぐにでもサポートに回った方が良いでしょう。

逆にそうならないのであれば、普通に仕事を継続した方がいい。今回のお悩みはこの簡単な計算で済む問題かと思います。

ただしあくまでも私見では御座いますが、パートナーをどれほどサポートをしたとしても、今のあなたの年収以上にパートナーの年収が向上する可能性は極めて低いでしょう。

家の掃除をすれば二人の生活品質は向上するでしょうが、それで元の稼ぎほどの収入アップが望めるとは到底思えません。

そもそも結婚によって独身時代よりも生活品質は多少なりとも向上することが多いものですが、それで年収はどれほど上がるのでしょうか。

結局、仕事辞めたいだけじゃないの

こういったことを周囲に相談する時、「仕事を続けたい気持ちが無いわけじゃない」と言ってしまいがちですが、この言い回しをする時点で本心は「出来ることならば辞めたい」に傾いていることでしょう。

そのこと自体は何の問題も御座いません。私を含めほとんどの人間は「仕事を辞めたい」と少なからず思っております。

ですので、例えば「仕事を辞めて専業主婦になりたい」と思っていたとしても、私はそれを否定するつもりが全く無いのですが、それを「将来のことを考えると、いっそのこと家庭に専念した方がいい」なんて正当化するのはいかがなものでしょうか。

どう考えても、経済的な意味ので”将来のこと”を考えるのであれば、今のまま二人で働いた方が圧倒的に効率的で御座います。

私はこんな悩みを抱える人がそこまで愚かな方だとは思いません。経済的な意味での将来のことを考えると、仕事を継続した方がいいことは分かっているものの、仕事を辞めたいから謎の理屈を持ち出して自己正当化をしようとしているだけなのではないでしょうか。

オブラートに包まずに言ってしまえば「旦那(彼氏)の稼ぎが良いから専業主婦になりてえ」と思っているものの、それをそのまま口にすると世間体があまりにも悪いから「仕事を続けたいと思っていたけれど、旦那のサポートをするために仕方なくキャリアを諦めた」なんていう建前を作っているようにしか思えないのです。

経済的な意味での”将来のこと”を考えるのであれば、どう考えても仕事を継続された方が良いでしょう。それ以外の回答を出してくる方がいれば、その方は詐欺師としか思えません。

無論、今後子供ができたり、パートナーの職場環境に著しく特殊な環境変化があれば仕事を辞めた方がいいことがあるかも知れませんが、それはそういう状況になったら考えればいい話でしょう。仕事なんて明日にでも辞められますが、再就職は明日というわけにはいきません。

自己正当化はやめよう

私は専業主婦を否定するつもりは一切御座いませんし、経済的な意味以外での”将来のこと”を考えれば専業主婦が有効な選択肢になることもあるでしょう。

それにどうしても働けない方や、何かしらの事情で専業主婦にならざるを得ない方がいらっしゃるのも重々承知しております。重ね重ねになりますが、私は「旦那のサポートをしたい」という理由で専業主婦になっても「働きたくねえ」という理由で専業主婦になってもいいと思っております。

もしかすると今のご時世に専業主婦という選択肢がいかがなものかと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、家計という単位で経済的に問題がないのであれば、専業主婦でも専業主夫でも何の問題も御座いません。表現は悪くなりますが、誰かが専業主婦になることで、本来なら無職になっていた方が雇用にありつけるとも言えるのですから。

しかし、自分の望みを叶えるために、誰からも強制されていないというのに、あたかも強制された被害者かのように振る舞い、自己正当化をされているのだとしたら、それはいかがなものかと思わずにはいられません。

もしも今回のようなお悩みを抱えていて、なおかつ「経済的な意味での将来のこと」を真剣に考えた結果、本気で「仕事を辞めた方がいい」なんて結論に到達したのであれば、失礼ながらあまりにも現実というものを知らないのではないでしょうか。

無論、これを読んでいる皆様がそんな世間知らずだとは私は思いませんが。

令和のマネーハック50

どれだけ彼氏が稼いでいても、結婚後も仕事を続けるのが無難。まずは自分の気持ちに正直に向き合おう。

(文:ラブホの上野さん、イラスト:itabamoe)

※この記事は2022年06月06日に公開されたものです

ラブホの上野さん (恋愛コラムライター・ラブホテル店長)

都内某所のラブホテルスタッフ。

自分のホテルの売り上げを増やすためにラブホテルへの誘い方をツイッターで伝授していたところ、そのテクニックが話題になり漫画原作やコラムの執筆をすることになる。

漫画『ラブホの上野さん』原作。恋愛コラムライター。某ラブホテル店長。

この著者の記事一覧 

SHARE