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聞き上手とは? 聞き上手になる方法をプロが解説

櫻井弘

上手な質問のポイント

最後に、「自分が相手に聞く」=「質問」をする時のポイントを押さえていきたいと思います。

日本人は一般的に“質問下手”な人が多いです。その理由は至って簡単で、自分が質問されると、責められているような気持ちになるから。そして「相手もきっとそう思うであろう」と、質問することを避ける傾向にあるからです。

「質問」という漢字は、「質を問う」と書きます。質問上手な人とは、強い関心や好奇心を持って「質問」できる人なので、実は相手の気持ちをグッとつかむことができる、コミュニケーション上手な人ともいえるのです。

ここでは、上手に質問できるようになるためのポイントを紹介します。

(1)全体質問と限定質問を意識する

質問の基本のキに当たるのが、「オープンクエッション」と「クローズドクエッション」です。私はこれを「全体質問」と「限定質問」と呼んでいます。

「オープン(全体質問)」とは、話し手の意見や考え方を自由に話してもらえる質問の仕方です。

例えば、「Aさんは〜についてどのようにお考えですか?」などという質問の仕方です。

このように質問すると、話が好きな人は長々と話し続けてしまう可能性もあります。一方、話があまり得意でない人にとっては、何を話していいか分からずに口が重くなりがちです。

そんな時には、もう1つの「クローズド(限定質問)」が有効です。

これは、「インドア派ですか? アウトドア派ですか?」「四季の中ではどの季節が好きですか?」などの限定した聞き方です。

ただ、あまり繰り返すと「尋問」のように受け取られて、かえって話し手に警戒心を抱かせてしまいかねませんので、やり過ぎには注意です。

いずれにしても、質問をするためにはまず、相手に対して関心を持つことが大切になってきます。

(2)目的に応じた聞き方をする

ビジネスにおいてのコミュニケーションには、実は大きく分けて3つの目的と機能が存在します。

1つ目が「良好な人間関係を築く」という目的で、これを達成するための機能が「話す力」(会話力)です。

2つ目の目的が「相互の理解促進」で、機能は「伝える力」(説明力)です。

そして3つ目が「人を動かす」という最終目的で、機能が「動かす力」(説得力)となります。

そしてこれら3つの大きな目的を達成するための前提となる機能が、「聞く力」なのです。

そこで、この目的を達成するための「質問のポイント」をご紹介します。

良好な人間関係形成のためには「分かっていることを聞く」

まず「良好な人間関係形成」のための質問の仕方としては、「分かっていることを聞く」という「社交的質問」です。

代表的なのが、天気に関する質問です。

「今日は昨日よりも寒いですね?」などと分かっていることを質問して、「相手のイエス」を引き出して良好な関係をつくっていきます。

理解促進のためには「分からないことを聞く」

次に「理解促進の質問」です。この場合は「分からないことを聞く」と良いでしょう。

お互いの理解を促進するためには不可欠な質問です。

「なぜ、ここでその工程が重要になるのですか?」など、分からないことや知りたいことを質問して、理解を促進します。

あるいは、「抽象的な点」を「具体的」に、「不明確な点」を「明確」に、「つながりが分かりにくい点」を「整合性を保つように」意識して、それぞれ質問します。

「具体的に言うといくつぐらいですか?」「ほぼ問題ないとは確率で言うと何%くらいですか?」「Aの理論からなぜBがつながるのですか?」などとなります。

人を動かすためには「相手の不安を解消する質問」などをする

そして「人を動かす」目的を達成するためには、「相手の不安を解消する質問」「結果をイメージさせる質問」「実現可能な方法を伝えるための質問」などが挙げられます。

例えば、「もしも〜の不安が解消されれば、問題はありませんか?」「~があれば安心して暮らせますね?」「実現するにはA案、B案、C案どれがよろしいですか?」のような質問が考えられます。

さまざまな状況で、さまざまな相手に対して、考えられるあらゆる質問を投げかけることが大切です。

少々ハードルが高いかもしれませんが、「人を動かす」とはそれだけ難しい目的なのです。

(3)確認→要約→質問の順番で進める

上記でも触れた通り、人を動かすのは容易なことではありません。

そこで、相手を動かす急所やツボを発見するための効果的な質問へと持って行く、そんな1つのモデルを示したいと思います。

ステップ1:「確認」する

まずは、相手の話を正確に聞くために、積極的な姿勢で傾聴するアクティブリスニングを意識します。その上で、キーワードをおうむ返しすることで内容の「確認」をします。

ステップ2:「要約」する

次に、相手の話の重点ポイントや前提条件、そして説得するためのツボを、「つまり〜を最も重要視するということですね?」というように「要約」します。

ステップ3:「質問」する

その上で、再確認・仮定・代案などを「質問」します。情報の掘り下げや念押しをすることで、相手の自発行動を促して行くのです。

次ページ:聞き上手な人は「コミュニケーション上手な人」でもある

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