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「淡々と」の意味は? 使い方や類語を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

同義語として誤用されやすい「淡々と」と「粛々と」の違いとは?

さて、次に音は違いますが、意味が似ていることから判断がつきにくい「淡々と」「粛々と」の違いについても説明します。

「粛々と」の意味は「静かにひっそりとした様」

「粛々」を辞書で引くと、次のように書かれています。

しゅくしゅく【粛粛】
(1)つつしむさま。
(2)静かにひっそりしたさま。
(3)ひきしまったさま。
(4)おごそかなさま。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

上記から判断して、「粛々と」は、静かにひっそりとした様子や、引き締まった厳かな様子を意味する言葉です。

「粛々と」と「淡々と」の違い

「淡々と」「粛々と」は、静かな印象があることでは少し似通っています。

ただ、「淡々と」の静かな印象がぼんやりした、捉えどころのなさからくる静かさであるのに対し、「粛々と」には意図された静かさが感じられ、厳かな緊張感があります。

例えば、葬儀などで「彼は粛々と喪主を務めた」とあれば、感情の起伏を抑え冷静であろうとしている緊張感や厳かさが感じられます。

「淡々と」であれば、「彼は淡々と喪主を務めた」となり、そこに厳かな緊張感はなく、冷たい印象を与えるでしょう。

ちなみにこの場合、後述する「坦々と」を使うことはふさわしくありません。

「粛々と」と「坦々と」の違い

また、「粛々と」「坦々と」は、起伏のない印象があることで若干似ているように感じられます。

ただし、「坦々と」の場合には、物理的な起伏のなさであり、転じて抽象化した起伏のなさであるにしても、意図せずして平坦である様子がほとんどでしょう。

一方、「粛々と」の起伏のなさは、厳かで抑制的な平坦さです。そこには、行為の主体者が静かであろうとする意図が感じられます。

「淡々と」はどんな時に使えるのか?(例文付き)

ここまで述べた「淡々と」と「坦々と」「粛々と」の違いを頭の片隅に置きつつ、改めて「淡々と」を使った例文を挙げます。

色や風味があっさりしている様子を表す時

例文

・彼の日本画は、淡々とした素朴な画風で、多くの人に愛されている。

・秋の新作を試食したが、ビビッドな色合いからは想像もつかない淡々とした味だった。

・彼女は、淡々とした色合いの服に小物でメリハリをつけるのがうまい。

態度があっさりしている様子を表す時

・彼女は、つらかったはずの思い出をもう吹っ切れたかのように、淡々と語った。

・私には思い入れの深い企画だったが、後継者により淡々と進められた。

・今年の入社式は、初のオンライン化で淡々とした味気ないものにならないよう、随所に工夫が施された。

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