「御社」の意味とは? 「貴社」との使い分けを解説
「御社」と「貴社」はどんな時に使い分ける?(例文付き)
実際に「御社」や「貴社」はどんな時に使い分けるのか、具体的な活用例を紹介します。
口頭の場合
次のような対面でのコミュニケーション時には、話し言葉である「御社」を用いましょう。
面接時に志望動機を質問された時
「御社の○○の分野の将来性に大変魅力を感じまして志望いたしました」
電話で折り返しの電話をかける時
「先ほど、御社の○○様からお電話をいただいた件ですが、〜」
文書の場合
次のような文書でのやり取り時には、「貴社」を使うようにしましょう。
送付状の冒頭にあいさつ文を書く時
「拝啓 時下、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」
先方にメールでアポイントの確認を伝える時
「○月○日午後1時に貴社にお伺いしますので、よろしくお願いいたします」
「御社」を使う際の注意点
「御社」と「貴社」の使い分けについて説明してきましたが、その他にも「御社」という表現を使う上で何か注意すべき点はあるのでしょうか。
「御社様」はNG
冒頭でも紹介しましたが、御社の「御」は接頭語で尊敬を表すために、会社を意味する「社」の前に「御」を付けた「御社」で十分に尊敬表現になっています。
「御社様」では「御社+様」の二重敬語ですので、過剰な表現にならないように気を付けましょう。
相手が一般企業でない場合の表現方法
相手が銀行や学校法人などの場合でも、一般企業と同様に、話し言葉には「御」、書き言葉には「貴」を付けます。
「御社」を使い慣れると企業以外でも使いがちですが、団体や組織に合わせて使い分けることが大切です。
銀行の場合
・話し言葉:「御行(おんこう)」
・書き言葉:「貴行」
なお、信託銀行株式会社の場合は「御社」「貴社」を使います。
信用金庫の場合
・話し言葉:「御庫」「御金庫」
・書き言葉:「貴庫」「貴金庫」
学校・学校法人の場合
・話し言葉:「御校」
・書き言葉:「貴学」(大学の場合)、「貴校」(大学以外の場合)
一般的に、大学の場合には「貴学」、小学校・中学校・高校・専門学校など「○○校」が付く場合には「貴校」と使い分けます。
また、「学校法人○○学園」などの学校法人の場合、法人の後に続く部分から「貴学園」などの敬称で表現できます。
財団法人・社団法人の場合
・話し言葉:「御法人」
・書き言葉:「貴法人」
病院の場合
・話し言葉:「御院」
・書き言葉:「貴院」
機構の場合
・話し言葉:「御機構」
・書き言葉:「貴機構」
組合の場合
・話し言葉:「御組合」
・書き言葉:「貴組合」
協会の場合
・話し言葉:「御会」「御協会」
・書き言葉:「貴会」「貴協会」
「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉
「御社」と「貴社」の使い方の違いはご理解いただけましたか?
どちらも相手の会社を敬う表現で、意味やニュアンスは同じですが、「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉と覚えておくと、スムーズに使い分けができるようになると思います。
また、一般企業ではない場合の「御」「貴」の使い方も紹介しましたので、悩んだ際にはぜひ参考にしてみてください。
(大部美知子)
※画像はイメージです
※この記事は2020年08月31日に公開されたものです