誤用が多い「なし崩し」の意味と使い方【例文付き】
「なし崩し」の使い方の例文
例文を通じて「なし崩し」の適切な使い方を把握しましょう。
「少しずつ」の意味で使う場合
まず、「少しずつ返す」「少しずつ」という意味では、以下のような例文が挙げられます。
・借金をなし崩しに返す。
・小さい所からなし崩しに壊し始める。
・彼は、自分がせっかく手にした権力をなし崩しに失ってきたのだ。
事実の積み重ねによる既成事実化の意味で使う場合
また、「事実を積み重ねて、既成事実化すること」の意味での例文も見てみましょう。
・正式な法改正をせずに、なし崩しにする。
・感染対策が確立する前に、なし崩し的に経済活動の全面再開に進むことになった。
・自衛隊の海外派遣がなし崩し的に拡大してしまわないか。
新聞・ニュースなどでは、このように、なし崩し的なやり方をする政府・自治体などを批判する時に使われる例が多いようです。
もちろん、それ以外の場面でも使用することができ、
・作者は読み切りのつもりで描いたのだが、掲載紙には「次号へ続く」と書かれており、なし崩し的に連載する羽目になった。
・恋人になったきっかけなど、もうあまりよく覚えていない。ふたりで飲みに出かけ、あとはなし崩しにそうなった。(山本文緒『ブルーもしくはブルー』角川文庫)
・そのままなし崩しで結婚まで持ち込まれてしまうだろう。(井上堅二『バカとテストと召喚獣 3.5』ファミ通文庫)
などのように、幅広い用例が見られます。