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全性愛? 「パンセクシャル」とは何か。バイセクシャルとのちがいとは

豆 林檎

パンセクシャルという生き方

日本では、オムニセクシャルという概念がほとんど浸透しておらず、私の予想では、本当はオムニセクシャルだが、自分をパンセクシャルだと思っている人がたくさんいるのではないかと思う。なぜなら、日本語に訳すと両者「全性愛」となってしまうからだ。

日本版ウィキペディアでも、

「全性愛(ぜんせいあい)、パンセクシュアリティ(pansexuality)、オムニセクシュアリティ(omnisexuality)とは、男性/女性の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりすること。全性愛の性質を持っている人を全性愛者(ぜんせいあいしゃ)、パンセクシュアル(pansexual)、オムニセクシュアル(omnisexual)、パンセクという。」

とあるように、一緒くたにされる傾向がある。

英語版ウィキペディアのPansexualのページと比べると、なんと、およそ7000文字も差があるのだ。

しかも、LGBTQ+系のウェブサイトをいくら探しても、日本語のサイトでオムニセクシャルについての正しい情報を得ることができない。

正しい情報を得られないと、自分が一体何者なのかわからない状態で生きることになる。「なんとなく似たもの」を自分だと認識するようになるのではないだろうか。

パンセクシャルという概念が広く認知されてはじめて、自分がバイセクシャルではなくパンセクシャルなのだと認識することと同じように。

パンセクシャルの恋愛

パンセクシャルの恋愛には、セックス、ジェンダーが関わってこない。他人を愛する要因に、それらが含まれないからだ。

そして、Xジェンダーに次いで「誤解されやすさTOP3」に入る。彼らの恋愛については誤解されがちだと思う。

なぜなら、異性と付き合っているときは、外側から見たらシスジェンダーヘテロセクシャル(※ヘテロセクシャルとは異性愛者のこと)に見えるし、同性と付き合っているときは、同性愛者に見える。両性と付き合っていれば、バイセクシャルにも見えるし、もしかしたらポリセクシャルに見えるかもしれない。

バイセクシャル+の人はそれぞれ、自身のことを自分がどう認識しているかがキーであり、これも、Xジェンダーと似ているように思う。

編集部の質問に「恋愛対象に性別を意識しないというのは、どういうことなのでしょうか?」というものがあった。

厳密にいうと、「性別を意識しない」というよりも、「相手を好きになる要因のうちに、性別が含まれない」ということではないだろうか、と私は思っている。

極端な例だが、犬、猫、うさぎ、といった「種」を好きか嫌いかの話をするときに「私は絶対に猫のメスが好き」と言う人はあまりいないだろう。

それと似ていて、「人間」という「種」を恋愛対象としているというだけで、そこに性別などのセクシャリティは介在しないのだ。

そうすると出てくる問題がある。トランスセクシャルでヘテロセクシャル の人のように「男性(または女性)として、女性(または男性)に好かれたい」人を好きになった場合、その期待に応えることができない。

想像よりも大勢の人がセクシャリティに縛られていて、パンセクシャルの人はその規範の外側にいるので、理解されないことも多いだろう。

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