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【漢方ビギナーQ&A】漢方薬って花粉症にも効くの? 症…
仕事のストレスやイライラ。漢方薬で軽減することはできるものなのでしょうか。漢方薬ならではの身体へのアプローチと、症状別の漢方薬について、八丁堀石川クリニック院長で漢方専門医の岸本京子先生に解説してもらいました。
漢方薬はストレスに効果的なのでしょうか。また、漢方ではストレスをどのように捉えているのでしょうか。
漢方の基本をなす医学理論がまとめられている中国最古の医書『黄帝内経』の『素問』には、喜怒哀楽の感情の動きが病気を起こしたり、治したりするという考え方が記されています。
人はストレスを受けると、感情が乱れます。感情の乱れは、「気」の乱れ。今でいう自律神経の乱れですね。漢方では元気の「気」(き)、栄養の「血」(けつ)、リンパ液などの「水」(すい)の3つのバランスが大事だとされています。ストレスがかかると、まず「気」が乱れ、それによって陰陽のバランスが崩れ、ゆくゆくは「血」にも「水」にも影響が出て病気になると考えられています。
「気」の乱れには、3つのタイプがあり、それぞれ以下のような症状があらわれます。
(1)気滞(気うつ):気が滞ること
症状:気持ちの落ち込み、喉や胸のつまり感、頭が重い、げっぷなど
(2)気逆:気が逆流すること
症状:のぼせ、足の冷え、めまい、動悸など
(3)気虚:気が減少すること
症状:元気がない、やる気がおきない、疲れやすい、だるい、食欲低下、風邪を引きやすくなるなど
「気」が乱れると、「血」と「水」にも、以下のような影響があらわれます。
(1)血虚:栄養を届ける血が不足すること
症状:貧血状態にあたり、手足のしびれ、寝つきの悪さ、肌の乾燥、集中力がないなど
(2)瘀血(おけつ):血流が滞り、栄養が隅々まで届かない状態のこと
症状:シミや肌荒れなどの肌トラブル、月経痛など
(3)水滞:水分代謝が悪く、余分な水分が滞ること
症状:むくみ、多量の汗、鼻水、おりものなど
漢方薬は、この「気・血・水」の乱れを整えるための薬です。よって、ストレスにも幅広く効果があると言えます。