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第60話 薬指にきらめきを

とたんに、胸の鼓動が早くなった。
もう、絶対に二度と会いたくない、
と思った悠人の浮気相手。
何でよりによって婚約指輪を作りに行く、
今日、また目の前に現れたの?
まさか、悠人とまだ会って……。

そう思って見ていると女性は、
ハッとした顔でこちらを向いて手を振った。
すると、わたしの横にいた男性が
「こっちこっち!」と手を振り返す。

その女性の正面顏は、横顔とは違って、
あの時の女のコに、ちっとも似てなかった。
……大丈夫かな、わたし。
前田くんには「信じる」と言い切ったけど、
それは思うよりずっと、むずかしいのかも。

そんな複雑な思いでいると、
後から、ポンと肩をたたかれた。
「ごめん、お待たせ!」
そこには、悠人の明るい笑顔があった。
「じゃあ、行こう」
そしてわたしたちは、並んで歩き出した。

きっとこれからも、不安になることはあると思う。
でも、わたしは悠人が好き。
その気持ちは、きっと変わらない。
それに今なら、悠人の誠実さも信じられる。
何かあったら、またふたりで乗り越えよう。

わたしは、そう決心した。

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