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第58話 後悔しない選択を

「彼は、一生、わたしだけを見る
……って、約束してくれたんだけど」

わたしの言葉が、ダイニングのざわめきに、
溶けるように消えていった。
どうしよう。
急に悠人の言葉に重みが感じられなくなった。

「それは、そう言うでしょう。
彼も決して伊藤さんをだますつもりはない、
と思うよ。今はね。
でも……さ、彼はモテるでしょ?
おまけに、やさしいでしょ?
この間も断れなくての浮気じゃない?
今はなくも3年後5年後は、避けられないよ」

ああ。きっと前田くんは、正しい。
だけど……だけど……わたしの中に、
絶対に揺らがない真実が、ひとつだけある。

「うん。きっと前田くんの言う通りだよね。
でもわたし、彼が好きだから、
彼の言ったことを、信じようと思うんだ」

すると前田くんは、少し寂しそうに笑って言った。
「そっか。そこまで言うならわかった。
幸せになってね」

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