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第56話 ごめんなさい

わたしの言葉に、悠人は悲しそうな顔で、
こちらを見つめていた。

「ごめんね、そんなお願いをさせて。
もちろん一生、ほのかだけを愛するって誓うよ」
「ホントに?」
「本当だよ。だってぼくたち、結婚するんだよ?」

そう言って困ったように微笑む、
悠人の顔がだんだん涙でにじむ。
愛されているって実感できることが、
こんなに心に温かく、うれしいものだと、
生まれて初めて知った。

そんな中「デザートになります」と、
お店の人が個室の中に入ってきたので、
あわてて目にハンカチを当てて、少し笑った。

その後、家に帰って、わたしはスマホを見ながら、
少し迷って……でも、LINEを開いた。
何も言わなくても、いいのかもしれない。
でも前田くんは誠意を見せてくれたのだから、
知らんふりしてはいけないだろう。
「ごめんなさい。わたし悠斗と結婚します」

そう打ち込んでから、深呼吸して送信した。

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