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第55話 わたしのことだけを

悠斗と待ち合わせをしたのは、
日暮れ前の、駅前のコーヒーショップ。
どこにでもあるチェーン店だけれど、
彼が来たとたん、店内が華やいだように感じた。
ああ、わたし悠斗が、まだ好きなんだな。

「来てくれて、ありがとう」
そう言われても、なぜかうまく返事ができない。
悠斗も、ほとんど話をしないまま、
連れて行かれたのは、
半個室になっている和食ダイニング。
向かい合って座ると、鼓動が高鳴る。

「今日は、もう一度やり直ししようと思って。
あの……結婚してください」

どうしよう。
断ろうか。続けようか。
断ったらお別れかな、と思うと、
心が張り裂けそうになる。
だけど、また浮気されるかも、と思っても、
やはり、心が張り裂けそうになる。

「あのね、悠斗。お願いがあるの。
これからずっと、わたしだけを見て。
もう絶対、よそ見しないって誓ってほしい」

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