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第23話 夜をどこまでも

「うん……まあ」
心の底で「この人に話しても大丈夫かな?」
と思いながら、半ばヤケで悠斗との話を始めた。

バーで女のコをつれた悠斗に会ったこと。
今夜バスルームで、自分用のシャンプーの底に、
いく筋もの髪の毛がとぐろを巻いていたこと。
ふたりだけのクリスマスから逃げてきたこと。

前田くんは、ずっと誠実な態度で聞いてくれた。
「……ごめんね。気持ち悪くて、暗い話で。
このこと、誰にもナイショにしてくれる?」

「もちろん……ね、これからドライブに行こう!
実はぼくの家、この近くなんだ。
落ち込んだ時にドライブはホントよく効く。
天地神明に誓って妙なマネはしないからさ」

スマホを取り出すと、夜中の2時半だった。
わたしはそっとうなづくと、
前田くんの横を、白い息を吐きながら歩いた。
夢を見ているような、不思議な気分だ。
そうしてマンション地下のガレージから、
赤のきれいなコンパクトカーに乗り込み、
一年で一番イルミネーションの美しい夜へと、
サンタクロースのように滑り込んでいった。

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