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第21話 終電も終わって

コートを着て振り返ると、そこには、
同じ会社の同期、前田くんが立っていた。
わたしはあわてて人差し指を曲げ、
そっと目元をおさえる。
「ああ、前田くん。すごい偶然」

「本当に、すごい偶然。
今、友だちと忘年会してたんだ。
ねえ、よければそこでお茶でもしない?」
前田くんは、革手袋の手で、
すぐ横にある小さなカフェバーを指差す。

「ごめん。電車なくなるから帰らないと」
「いや、もう終電終わってるけど」
「えっ、もう、そんな時間!」
わたしはあわてて、スマホの画面をみた。

うそ、あと3分で1時になるなんて。
そっか。休みの日なのに仕事帰りの悠斗を待って、
9時ごろからクリスマスのお祝いして、
あれやこれやで、もう4時間か……。

「タクシーも行列長かったし、
少し人が引くまで、暖まらない?」
「そうだよね。じゃあ、お言葉にあまえて、
お茶、付き合ってもらっちゃおうかな」

 

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