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第18話 置き土産

「いやあっ!」
わたしは小さく叫ぶと、
シャンプーボトルを投げ出すように棚に戻す。
誰の髪の毛?
おぞましくて、触れなかった。
それは排水口に溜まっているみたいに、
何本もからみ合って張り付いていた。

まるで、呪いだ。
ぞっとするような悪意を感じる。
まだ一滴もシャワーを浴びてないけれど、
もう一秒もバスルームにいたくなくて、
脱衣所へと走り出た。

「どうした。虫でも出た? 入っていい?」
「待って! 今着替えたら出るから」
返事をしながら唇が震えた。
手も震えて、うまく服が着られない。
あの髪の毛の主は、悠斗のいったい何?
……いや、こんな疑問、バカみたいだ。
決まってる。肉体関係のあった女性だ。

わたしはもう一度服をきちんと着ると、
勇気を出して再びバスルームに入り、
嫌悪感で背中の産毛を逆立てながら、
シャンプーのボトルを手に取った。

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