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第17話 思わぬ悪意

「信じられないよね。去年の今ごろは、
まさか2人でこんな風に
クリスマスを過ごすことになるなんて
想像もつかなかったね」
シャンパンを抜いた悠斗は、
おいしそうにローストターキーを頬張りながら、
早いペースで飲んで、もうかなり、ご機嫌だ。

「わたしもそう思う。去年の今ごろだと、
女友だちとイタリアンのお店で飲んでた、かな」

「いいなー。おれなんか役所で先輩に、
ギャンギャン言われながら資料作ってたよ」
ちょっぴり情けない顔で笑う悠斗は、
少しの沈黙のあと「ね、シャワー浴びてきて」と、
小さな声でつぶやいた。
わたしは黙って首を縦にふるとバスルームに入る。

悠斗の家のバスルームにも、すっかり慣れて、
今では自分用のシャンプーとリンスがある。
でも……今夜はなんだかおかしい。そうか。
シャンプーとリンスの注ぎ口が向かい合わせだ。

不思議な予感に誘われ、
わたしはシャンプーボトルを手に取った。
するとその底には、濡れた栗色の髪の毛が、
3本か4本か……ともかく何本も、
蛇のようにとぐろを巻いて張り付いていた。

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