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第14話 いたたまれない

それからバーカウンターの女の子は、
悠斗の腕を一度、二度とさすって、
しきりに何かを訴えはじめた。
えっ、何あれ。
どう見ても、上司に対する態度だとは思えない。

すると、その訴えに応じて、
悠斗はバーテンダーさんにオーダーを出したようだ。
しばらくすると、白髪のバーテンダーさんが、
シェイカーを振り始めた。

もうこの場には、居たくない。
わたしはオレンジ色のジャックローズを、
グラスに半分残したまま、席を立った。

悠斗はわたしが出て行こうとしていることに、
ぜんぜん気がつかない。
最後にドアを開け、カウベルが音を立てた時、
驚いたようにこちらを見て
……でも、それだけだ。

外は木枯らし。寒い。
ストールを口元まで引き寄せても、
冷たい風が首元から入り込む。
わたし、本当に悠斗の彼女なのかな?
そんな疑問が心の中にムクムクと湧き起こった。

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