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専門家 メンタル

時間帯が理由じゃない!? 脳の専門家が教える「サザエさん症候群」の原因と対処法

加藤俊徳

楽しかった休日が、あと少しで終わってしまう日曜日の夕方。その状況を考えただけでも憂うつな気分になりますが、テレビで放送される「サザエさん」を見て、余計に気分が落ち込んだ経験のある人も多いはず。一般的に「サザエさん症候群」とも呼ばれるこの症状ですが、脳内では一体どんなことが起こっているの? 今回は、脳のしくみについてくわしい医師・医学博士の加藤俊徳先生に、脳科学の観点から「サザエさん症候群」の原因と対処法について解説してもらいました。

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今回お話を聞いた加藤俊徳先生

147b7dcc01f5894e4bb31d67f5588a67-150x150医師、医学博士。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学医学部、同大学大学院卒業後、1991年、子どもの脳活を計測できるfNIRS法を発見。その後、アメリカ・ミソネタ大学放射線科 MR研究センター、慶應義塾大学、東京大学などで脳の研究に従事。2006年、株式会社「脳の学校」を創業し、2013年、加藤プラチナクリニックを開設。

■「サザエさん症候群」の原因は“時間帯”ではなく“内容”

「サザエさん症候群」になってしまうかどうかの境界線には、おそらく「休日の過ごし方」が関係しているでしょう。「サザエさん」を見て憂うつになってしまう一番の理由は、「土日がサザエさんのような生活ではなかったこと」にあると思います。というのも、充実した休日を過ごしたあとに「サザエさん」を見ても(憂うつな気分に対して)実はピンと来ないのです。ところが、平日たくさん働いた人が週末をダラダラ過ごした場合、ふと「サザエさん」を見て、「なんでこんなに平和なの……」と落ち込みます。

「サザエさん」の本質は、“日本の古きよきゆっくりと流れる家庭生活”にありますよね。これを見ていると、「私は明日から働かなければいけないのに!」というギャップが自身の中で生まれ、憂うつの原因となるのです。憂うつな気分を感じるのは、脳がうまくはたらいていない瞬間です。具体的には「なんとなく考えようとはしているけど、実際はうまく考えられていないとき」。人間は(自分より幸せな)相手と比較をしながらも、実は「自分ではどうしようもない」と考えています。すると、ますます憂うつになっていくという悪循環が……。また、落ち込んでいるときに幸せそうな人を見ると、余計に周囲の人との距離感を抱いてしまいます。「私は私で幸せなんだ」という“自分基準”がない人ほど、その傾向にあるでしょう。逆を言えば、自分がサザエさんより楽しい状況なら落ち込まないのです。

つまり「サザエさん症候群」の原因は、もうすぐ月曜日が来てしまうという“時間帯”よりも、むしろその“内容”にあると私は思います。

■「サザエさん症候群」に陥りやすい人、陥りにくい人のちがいとは

陥りやすい人は、どちらかと言えば「完璧主義な人」でしょう。たとえば、10個ある課題のうち、ひとつでもできないとそのひとつをダメだ、と思っているタイプ。生真面目で、つねに「もっとがんばろう!」という意識のある人は、完璧主義が暴走すると危険です。逆に陥りにくい人は、10個中3つできればいいや、4つもできたら「自分すごい!」と思えるタイプです。大雑把な性格のほうが「サザエさん症候群」になりにくいでしょう。

女性の場合は、「男性に尽くしてしまう性格」も「サザエさん症候群」に注意が必要です。このような人は、尽くすことへ精一杯になるあまり、心の疲労感に気づくことができません。自分を振り返らず尽くしていて、“自分の立ち位置の曖昧さ”に気がつくと、余計に落ち込むものです。

■「サザエさん症候群」の対処法

af9940093693w「サザエさん」を見たあと、落ち込まないためには、気分転換にジョギングなどに出かけるのがオススメ。憂うつな気分をそのままにしておいてはいけません。憂うつになっている人の脳は、「思考系脳番地」ばかりを使い、「視覚系脳番地」をほとんど使っていないのが特徴。(そんな人は)人と会うことが億劫になったり、人と目を合わせることがストレスになってきます。重くなれば、他人や周囲の環境に怒りを向ける場合も。したがって、ジョギングがてらイルミネーションを見に行ったり、大きなスーパーのカラフルな食材を目にしたり、視覚を刺激することで気持ちをワクワクさせることができるでしょう。夜空に光る星を見つけるのもいいですね。

加えて、家族と離れて暮らす人は、「サザエさん」をひとりで見ることにより、余計憂うつな気分が誘発されるもの。そんなときは、家族に電話をしてみてはいかがでしょうか。人間はひとりで生活していると、自分の座標を見失いがちです。自身にも家族がいて、幸せがあるという「自分のサザエさん環境」を認識することも大切ですよ。

■脳のしくみを理解して、「サザエさん症候群」と向き合おう!

「サザエさん」の幸せな家庭と、自分との比較が「サザエさん症候群」を生み出すという加藤先生の見解はいかがでしたか? たしかに、友人の楽しそうなSNS投稿を見て憂うつな気分になるなど、他人との“ギャップ”が原因で落ち込んでしまう気持ちは理解できますよね。こんな脳の本質を理解して、日曜日の夕方に訪れる「サザエさん症候群」の症状とうまく付き合っていきましょう!

(監修:加藤俊徳、取材・文:マイナビウーマン編集部)

■加藤俊徳先生の新著情報

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