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第10話 残業じゃないの!?

「こんなお店、自分じゃ見つけられない」
黒光りするバーカウンターには、
白髪混じりの壮年の方と黒髪の若い方、
ふたりのバーテンダーさんが、
シェイカーを振っている。
後の棚に並ぶお酒は知らない銘柄も多い。

カウンターはちょっと緊張するので、
テーブル席にしてもらった。
オーダーは悠斗に教えられたカクテルで、
オレンジ色がきれいなジャックローズ。

「ぼくも、役所の先輩に、
連れてこられて、ここを知ったんだよ」
初めてここに来た時、悠斗はそう言って、
やさしくわたしの背中に触れながら、
お店の中に、誘ってくれた。
そう、今、ドアのカウベルを鳴らして、
入ってきたカップルとそっくり同じに。

……いや。そっくりなんじゃなくて、
あれは悠斗、本人だ。
どうして? 仕事が忙しいって
……残業じゃなかったの?
なんで、女の子といっしょなの?

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