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第29話 駆け引き失敗

わたしが一瞬、戸惑ったことに、
気づかれてしまったらしい。
高橋さんはちょっと眉を下げて笑い、
「今日は遅いから、また今度にしようか」と言った。

しまった!
断らない雰囲気を出してきたのに、
いきなり断っちゃってどうするのよ!!
「あ、いや、今日でも!」
思わず必死で高橋さんの手をつかんでしまい、
気まずい空気が流れる。
その空気を破ってくれたのは高橋さんだ。
「ぷっ」
小さく笑い、そして、声を抑えながら、
腹を抱えるようにして笑っている。
「高橋さん?」
「ああ、ごめん、ごめん。すごく積極的だから、
慣れてるのかと思ったら、意外とかわいい感じなんだね」
それってどういう意味だろう。
「ごめんごめん。気にしないで。アドレス交換しよう。
今度、連絡するよ」
高橋さんはひとしきり笑うと、わたしと連絡先を交換し、
仲間の元へ戻っていった。

ひとりになったわたしの元に、
やや遅れて真由が戻ってくる。
「高橋さん、どうだった?」
わたしがアドバイスをうまくいかせたと
思っているのだろう。
真由が得意顔で耳打ちしてくる。
「真由〜、ちょっと2次会いい?」
情けない雰囲気のわたしに真由が戸惑っている。
わたしも困ってる。
だって、新しい彼氏を見つけるのが、
こんなに大変だなんて、
すっかり忘れてたんだもん。

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