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第61話 ありがとう

「もう孝太郎は一生奥さんと遊んでいればいい。
ああ、なんかすごく自由になれた気がする。
気がつかなかったけど、今までとっても、
窮屈で冷たい場所に閉じ込められてたみたい」

シャンパンでの乾杯の後、
わたしは本当に清々しい気持ちになった。

「正直言うと、幸せそうじゃなかった。
離れたくない気持ちは、すごくわかる。
わたしも同じ立場だったら同じ気持ちだと思う。
でも、ひよりが今言った通り、
目に見えない冷たい水槽に入っているみたいで、
寂しそうで、寒そうで、つらそうだった」

彼女の笑顔はあたたかく、とてもきれいだ。
「菜々子、ありがとう。ずっと長い間、
こんなおバカさんなわたしに付き合ってくれて」
「そんなことない。わたしも、おバカさんだよ」

わたしたちは、もう一回だけ、
これからの未来に乾杯しようと、
再びシャンパンを頼み、飲み終わると店を出た。
夜の街にはシャンパンのような灯りがきらめき、
そのキラキラみたいな勇気が心に湧くのを感じていた。

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