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第59話 気持ちが冷める時

月曜の朝、会社の入り口で建物を見上げてみた。
近いうちに転職する実感が、まだ湧いてこない。

席についてパソコンを開けると、
孝太郎から社内メールが入っていた。

「おはよう。元気でいてくれてるかな。
今もまだ、スマホは
アイツが毎日チェックしているので、
社内メールからしか連絡できそうにない」

孝太郎からのメールなのにうれしくない。
それに、いきなり奥さんの話題。イライラする。

「転職先は、いいところが見つかった?
ぼくも探してはいるが、思うように見つからない。
ぼくもがんばるけれど、ひよりも探し続けてくれ。
しかし、アイツのヒステリーで毎日がひどく苦痛だ。
食事中いきなり皿を叩き割って泣き出したり、
夜中寝ていると、髪を引っ張られて、
起こされて責められたり……」

何を読んでも、ぜんぜん同情する気が起きない。
それどころか奥さんに苦しめられている様子が、
不思議に楽しそうに感じられてしまう。
……ああ、もう、気持ちが冷めてしまったんだな。

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