お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

第57話 彼の夢

ハイボールで乾杯した後、
山本さんはとてもうれしそうに焼きそばを食べ、
そしてよく飲み、今日の花火の感想を話した後、
お芝居の話をキラキラした目で語り出した。

「今度もね、座長がすごい話を書いてるんだ。
おれもね、もっと大事な役回りにつくから、
今度も絶対、絶対見に来てよ」

酔った山本さんは、前のめりになって、
わたしの方へ体を乗り出してしゃべる。
わたしはでも「こういう山本さんもいいな」
と思いながら、話を聞いていた。
しかし。

「おれね、劇団を趣味じゃなくて、
一度本気でやってみたいんだ。
保育士は大好きな仕事だけれど、
でも、自分が人生をかけられるのは、
やっぱり芝居。やるならプロを目指したい」

そう言われて、わたしの気持ちは、
一気に現実に戻ってしまった。
やはりどこかで、わたしは山本さんと、
結婚につながるお付き合いを夢見ていた。
でもこの様子では、ちょっとムリだよね。

お役立ち情報[PR]