【少女マンガに学ぶ脈あり脈なし】第7回『青空エール』
少女マンガを読んで、萌え萌えするだけではもったいない! ここには恋のノウハウが詰まっているのです。「魅力ある人物像」を追求している少女マンガだからこそ、恋愛の教科書にするべきですよ。片想い中に悩む「脈あり」「脈なし」について検証する連載です!
こんにちは、少女マンガ攻略・解析室室長の和久井香菜子です。
先日、デート中に、
「和久井さんの夢はなんですか?」
と聞かれて、ウンウン悩みました。
夢……。夢??
ドリーム……。
私の夢って……??
「じゃあ、あなたの夢は?」
とか
「うふふ、お・よ・め・さ・ん」
とかいう機転も利かず、デート中にウンウン首を捻って悩んで、首をかしげたまま帰ってきてしまいました。
その後もうっすら考えてるんですが、どうにも浮かびません。
夢のない人生か……。ふふ、モノクロームだぜ。
知りあいの男性に、
「ねえねえ、お前の夢は?」
と聞いたら、
「今は人生の夢の途中」
とかポエムっぽいこと言われました。
みなさん、みなさんの夢はなんですか?
今週の教科書『青空エール』
これは、野球と吹奏楽部の名門校・白翔(しらと)に入学したつばさが「甲子園の応援でトランペットを吹く」という夢を叶えるためにあれこれ努力する物語です。
つばさに「あなたの夢は?」って聞いたら、即答するのでしょう。
若いっていいわあ。
名門校なので、吹奏楽部は全国大会出場レベルの経験者ばかり。素人なのはつばさくらいです。
いじめこそないものの、日々、レベルの差に葛藤しながら奮闘しています。
同じクラスの野球部員山田くんは、甲子園を目指す坊主男子。落ち込んだり悩んだりするつばさをあれこれ励ましてくれます。
ジュースを買ってきてくれたり、腹筋の手助けをしてくれたり、励ましのメールや電話をくれたり。
お互い、夢は甲子園です。山田くんは、自分のミスで支部大会決勝戦で敗退するなど、つばさの自分の至らなさにくじけそうになる気持ちがわかるので、あれやこれやで支えてくれます。
例えるならば、アイススケート場で、滑れないカップルがガッチリ肩を組み合ってヨロヨロ歩いている感じ。
と、その前に、つばさの両親や友だちは、
「興味あるとかね、そんな軽い気持ちではじめたらあとが大変よ」
「つばさの性格じゃ無理だよ」
などと言ってトランペットを始めることや名門校に入ることを反対されました。
気が弱い子は、そう言われると「そうかも」と思ってしまうんですが、それはいけません。
他人の評価なんて大変いい加減なものです。
そんなもので人生を決めてはいけません。
10年後に本人に聞いてみたら「そんなこと言ったっけ?」ですよ。
自分がやりたいと思ったことは、外野がなにを言おうがやってみればいいんですよ。それで人生つまらなくなったって、誰も責任取ってくれないんだから。
夢を追うんだ、夢を!!
山田くんの脈ありサイン
山田くんは、あれこれつばさが困っているときに面倒を見てくれるので、まずはそこが脈ありポイントですよね。
私にも山田くんを派遣してほしい。
それはもちろん踏まえておいて、着目点がひとつ。
山田くんはつばさに、
「なんで白翔に来たの?」
と聞くんです。
いいですね~、山田くん。
つばさの「甲子園の試合で白翔を見たのがきっかけで云々」という、長々しくもオチのない返事をじっくり聞いてくれました。
この山田くんの質問がステキなところは、つばさの「考え」を聞いているところです。
「この人は何を考えているんだろう?」
「どういう思考の人なんだろう?」
と思っているわけですよね。
ここで意気投合すれば、おつきあいまでの近道になるでしょう。
「自分に興味を持って質問してくれる」というところは脈ありポイントとしておさえつつ、自分のことをどう好きなのかをその質問内容からさらに見極めたいところです。
恋愛マニュアルには「とにかく女子に質問をしよう」みたいなことが書かれています。つまり多少興味があれば、それにのっとってあれこれ聞いてくる男子もいるということ。でも、「休みの日はなにしてますか」よりも「自分の考え」を聞かれるほうが「興味を持ってくれている」ということですよね。山田くんのはより強い「脈あり」サインなのです。
まとめ
「困ったとき(だけ)助けてくれる」
「自分の考えや気持ちに興味を持ってくれる」
最高じゃないですか、山田くん。坊主だけど。
さて、「夢」を聞かれるのは、考えや気持ちを聞かれたことになるんだろうか……。
(文・イラスト/和久井香菜子)
★次回の『少女マンガに学ぶ脈あり脈なし』は8月23日(火)掲載予定です、お楽しみに!
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※この記事は2016年08月16日に公開されたものです