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第49話 夏の悪寒

わたしは親の説得や会社になんて言い退職するか、
何より転職がうまくいくか、
さまざまなことを考え、パニックに陥った。
そして、だんだん腹が立ってきた。

「ねえ、いっしょに会社辞めてくれない?」
「ぼくも!?」
孝太郎はギョッとした表情で、わたしを見た。
そんなこと、かけらも考えてなかったようだ。

「そんなの意味ないか。いや……他人事みたいに、
あまりに簡単に会社辞めろっていうからね。
でも、孝太郎言ってたよね。
『ぼくはリスクなんて怖くない!』って」

孝太郎は、今にも涙をこぼしそうな顔で言う。
「ごめん……ぼくが、あまりに軽率だった。
ひよりちゃんも、アイツも、すごく傷つけて」

えっ「アイツも」って! なにそれ!
泣かんばかりの孝太郎の言葉を聞いて、
わたしは頭が炎に包まれたように腹が立った。

孝太郎にとっては「あの奥さん」が傷ついたのも、
わたしが傷ついたように心が痛むんだ。
奥さんも、わたしと同じように好きなんだ……。

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