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第48話 決定事項

孝太郎がささやくように、耳元であやまる。
「びっくりした。本当に怖かった」
「まったく申し訳ない」

彼の手のぬくもりが、
わたしの冷えた手の甲を包み込んだ。

「一刻も早く、君の新しい職場を探すよ。
訴えられたら、たいへんなことになる」

わたしは思わず孝太郎の手を離した。
彼を見上げたその顔は、
きっとポカンとした表情だったにちがいない。
「やっぱり、わたしが会社辞めないとマズい……」

孝太郎は沈痛な表情で答える。
「もしかしたら大丈夫かもしれない。
だが、本当にアイツが訴えたら最悪、
慰謝料が200万、いや300万かもしれない。
そんな負担、とても負わせられないよ」

「奥さんのこと、説得できないの?」
「ぼくがアイツを説得なんかしたら、
それこそ火に油を注ぐようなもんだ。逆効果だよ」

やはり退職は決定事項らしい。どうしよう。

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