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第46話 あんな人のために

昨日の「怖い」気持ちと「イヤ」な気持ちが、
みるみる胸に膨れ上がる。
その気持ちを抑えて、窓の外の、
奥さんに似たシルエットをじっと見つめた。

人違いだった。ホッとするのと同時に、
イラ立ちがこみ上げる。
あんな人を、恐れなければならないなんて。

思えば、小学生以来じゃないだろうか。
あんな風に大声で怒鳴られたり、
にらまれたり、ギャンギャンと泣かれるのは。
いや小学生の頃だって、なかったと思う。

あんなだから孝太郎だって、
わたしに心を移したんだ
……そう思えて、仕方がない。
それでも。
わたしは会社を辞めなくてはならない。
孝太郎とも、ずっと会いづらくなるだろう。

不倫だから仕方ないのかもしれない。
でもぜんぜん、納得なんかできなかった。

その日はブランチも食べる気にならず、
夜までずっと部屋に籠りきりだった。

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