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専門家 不調

便秘の後遺症!? 臨床内科専門医に聞く、若い女性の「痔」の原因と予防法

ユンブル

親しい人にも相談しづらく、恥ずかしくて病院を受診しにくい病気のひとつに、「痔」があります。「男性がかかる病気と思われがちですが、大っぴらに言われないだけで、実は女性にとっても身近な病気です。放置するとどんどん悪化して、椅子に座ることも難しくなり、日常生活に支障をきたします。外科手術が必要になることもあるんです」と話すのは、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長。詳しいお話を聞いてみました。

■便秘、排便時にいきむ、冷え、女性ホルモンなどが原因

―痔に悩む女性は多いとのことですが、どうしてですか。

正木医師 まず、「便秘になりやすい」ことが原因となる人が多くいます。男性に比べて、「トイレに行くのを我慢することが多い」、「過度なダイエットをしている」、「月経前後に女性ホルモンの影響を受けやすい」などで、便秘を起こしがちです。

便秘になると便が硬くなり、排便時に肛門に圧力がかかります。すると、出口が切れる、血液がたまりやすくなります。

さらに、下半身の冷えで肛門周辺の血流が悪くなってうっ血する、デスクワークで座りっぱなしの状態が続くなども女性が痔になりやすい原因です。

また、妊娠によるホルモンバランスの乱れや出産時のいきみなども挙げられます。

■女性は、「イボ痔」と「切れ痔」が多い

―女性がなりやすい痔のタイプはありますか。

正木医師 痔は主に、「イボ痔」、「切れ痔」、「痔ろう」の3種類があります。女性がなりやすいのは「イボ痔」と「切れ痔」です。特徴は次の通りです。

「イボ痔(痔核:ぢかく)」
肛門周辺がうっ血して、イボ状にはれた状態。肛門の内側にできる内痔核(ないじかく)と、外側にできる外痔核(がいじかく)がある。

症状:出血、排便時に内痔核が出る、残便感がある。痛みはあまりない。

主な原因:排便時のいきみ、便秘、長時間同じ姿勢を続ける、冷え、妊娠・出産など。

「切れ痔(裂肛:れっこう)」
排便時に皮ふが切れた状態。傷は自然に治るが繰り返す女性は多く、慢性化すると、肛門が狭くなる、化膿(かのう)して痔ろうができることもある。

症状:排便時や排便後に痛みがある。出血は少なく、排便時に紙に付着する程度。

主な原因:便秘、硬い便を無理に出そうとする、下痢など。

「痔ろう」
肛門腺に入り込んだ細菌に感染、化膿し、たまった膿(うみ)が外へ出ようと、肛門周囲の皮ふへと繋がるトンネルができる状態。別名、穴痔(あなじ)。

症状:発熱、肛門周辺がはれて痛みがある。肛門から膿が出る。

主な原因:下痢などによって、大腸菌などの細菌が肛門の中の肛門腺に入り込むこと。疲れて抵抗力が弱っているときになりやすい。

■無理にいきまない、トイレは3分で出る

―痔を予防するためには、どうすればいいのでしょうか。

正木医師 まずは、便秘にならない生活習慣を心がけましょう。食物繊維が豊富な野菜や海草類、キノコ類を食べる、栄養のバランスが整った食事をする、水分をこまめに補給するようにしてください。また、食事をすると、腸が動く「胃・結腸反射」と呼ぶ反応があり、朝はもっとも排便が起こりやすい時間帯です。朝食を欠かさずに食べて、腸の動きを活発にしましょう。

ストレスや睡眠不足、運動不足も便秘のもとです。自分なりの気分転換法を見つけ、日ごろからウォーキングなどの軽い運動を心がけましょう。

ほかにも、肛門付近に血液がたまってうっ血するのを防ぐために、一日中立ちっぱなし、座りっぱなしの同じ姿勢を長時間続けることを避けてください。適度に休憩をして体を動かす、座りっぱなしのときは真ん中が円状にくりぬかれたドーナツ型のクッションを使う、38~40度くらいのぬるめのお湯につかってお尻を温めることなどを習慣にしましょう。

痛みなど痔の気配を感じたら、我慢せずに市販の薬を試し、1週間使用しても改善しない場合や出血があるときは、肛門科を受診しましょう。特に、出血している場合は、潰瘍(かいよう)性大腸炎や直腸がんなど、別の病気が原因の可能性もあります。迷ったときは、内科や婦人科などのかかりつけの医師に相談すると、症状によって適切な医療機関を紹介してもらえるでしょう。

―排便時にいきむと痔になりやすいとのことですが、無理にでも出し切らないと便がたまっているようで気になります。

正木医師 いきむ行為や、長時間便座に座りっぱなしの状態は、肛門付近に負担がかかって血流が滞り、うっ血しやすくなるので、痔になりやすいんです。長時間トイレにこもって無理に出す、トイレに座って本や雑誌を読む、スマートフォンを操作するのは避けましょう。

トイレは3分を目安に、便が出ないときは切り上げてください。一方、便意を感じたら、できるだけがまんをせずにトイレに行く習慣をつけましょう。

■まとめ

痔になる、痔を繰り返すのは、生活習慣や排便方法が関わっているということです。便秘の予防のために、適度に体を動かす、軽い運動をする、湯船につかる、トイレは3分以内で出る、などの方法を実践しておきたいものです。

(岩田なつき/ユンブル)

取材協力・監修:正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
http://masaki-clinic.net/wp/

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