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第43話 修羅場ののちに

だけど……いや、だからなのかもしれない。
奥さんのことがだんだん、
怖いというよりイヤに思えてくる

そんな立場じゃないのはわかっているけれど。

でもこの人の表情も、振る舞いも、
心のどこかで孝太郎の気持ちが
自分の思い通りになって当然、
と信じて疑わないからこそ、のものだ。
わたしには、そこが受け入れられない。

しかし、このままというわけにもいかない。
「あの……大丈夫ですか?」
「うるさいっ!」
悲鳴のような声と同時に、
顔にビシャッと冷水が降りかかった。

なぜか、腹が立たなかった。
他人事のように「困ったな」と思いながら、
バッグからタオルハンカチをだし、
髪と顔を拭いた。タオルハンカチは、
すぐに水を吸って重たくなった。

拭き終えて顔を上げると、
カフェの店員がテーブルの隣に立っていた。

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