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第40話 会社は辞めて

「ひよりさん、よね。座んなさいよ」

奥さんはわたしをにらみ続けている。
息が少し荒い。あきらかに興奮していた。
「はい」と答えて椅子にかける。
お店の人が、おそるおそるオーダーをとりにきた。

奥さんはアイスコーヒーを、
わたしはアイスティーを頼んだ。
でも口をつける気になれない。怖くて。

「あんた、自分が何してるかわかってんの。
なんでわざわざ、結婚してる男と付き合うのよ。
不倫なんて、人のもの奪うのが趣味なわけ?」
奥さんは唇をゆがめて話し続けた。

「いえ、そういうわけでは……」
「ふうん。で、当然別れるのよね」
「はい……」
急に、涙が出そうになった。
孝太郎と別れることになるかも、
と考えると、深い悲しみに襲われる。

「まあ、当たり前よね。あと別れても、
元の不倫相手が同じ会社にいるなんて
ありえないから一カ月以内に会社を辞めて。
そうすれば訴えないであげてもいいわ」

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