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コラム 片思い

【少女マンガに学ぶ脈あり脈なし】第3回『きょうは会社休みます。』

和久井香菜子

少女マンガを読んで、萌え萌えするだけではもったいない! ここには恋のノウハウが詰まっているのです。「魅力ある人物像」を追求している少女マンガだからこそ、恋愛の教科書にするべきですよ。片想い中に悩む「脈あり」「脈なし」について検証する連載です!

こんにちは、少女マンガ攻略・解析室室長の和久井香菜子です。

結婚したい女子が、彼と同棲中の自宅にゼクシィを置いておき、暗に結婚を迫ることを「ゼクハラ」と言うそうですね。
結婚するとかしないとか、子どもを作るとか作らないとか、きちんと話し合えないなら「それはパートナーとしてどうなのか」と思わないでもないですが。結婚したい女と、のらりくらりの男の話はよく聞きます。

先日、大学院生の男子と話しておりましたところ、彼も暗に彼女から結婚を迫られていると言っていました。

「彼女は年上ですでに就職しているため、たいへん結婚したがっているようだ。しかし自分はまだやりたいことがたくさんあり、結婚など考えられない」

そりゃそうでしょう、学生なんて将来自分がどうなるかもまだ真っ白、なにもわからないのに、いきなり他人と人生作る結婚なんて、想定外もいいところですよね。
「彼女を逃したら一生後悔する!」くらいの魅力的な女性だったらアリかもしれないですけど。

とまあ、女が「ねえ結婚してくれないの?」と迫り、男が二の足を踏むというのが日本社会的な流れのようです。

■今週の教科書『きょうは会社休みます。』

で、『きょうは会社休みます。』です。
33歳まで男性とおつき合いの経験がないオボコなOL青石花笑が、竜の国の王子様並みにデキのいい大学生・田之倉とおつき合いするオフィスファンタジーです。

この田之倉が、女子の妄想をかき集めてこねて仕上げたみたいなキャラなんです。
12歳も年上の女が飲んでる最中に泣き出してもOK、付き合ってすぐに「両親に紹介したい」と言われて笑顔でOK、大学生のくせに株やっててお金持ち。
なんなのでしょうか、この化け物並みのデキの良さは。女の「こうしてほしい」が具現化されています。通常男が面倒くさいと思うであろうことも、すべて田之倉はニコニコ受け入れてくれるんです。

■花笑に学ぶ脈ありサインを見逃さない方法

さてこの花笑、田之倉とつき合う前は、男性経験がないことをすごく気にしていました。大学生の時に先輩にホテルに誘われたのですが、「門限が……」と言って断ってしまいます。それが唯一のチャンスだったようで「ついて行けばよかった」とずっと気に病んでいるんです。

……ホントか?
本当にそれ以来10年以上もチャンスがなかったのか?
田之倉と付き合ってから彼女はモテモテなので、おそらく数回くらいはチャンスがあったのではないかと思われます(って架空の人物ですが)。それが彼女にとってなかったことになっているんでしょう。
なぜかというと、序盤で花笑はこんなことを言っているんです。

「付き合うなら誠実な人でなきゃダメ」
「心が優しくて嘘のつけない人で」
「女性を大切にできて」
「ギャンブルやらなくて」
「お金にだらしなくなくて」
「おおらかで……」
「……」

彼女の彼氏に対する条件は砂漠の砂ほどたくさんありそうです。
で、その条件にマッチしなそうな男のことはシャットアウト。田之倉のことも最初はボロクソ。

「アレは結構黒いタイプね。『いつでも電話してきて』って最後(別れ話した彼女に)言ってたけど、アレ絶対出ないね。かかって来てもスルーして永遠にサヨナラ」

と、勝手に田之倉の人間像を決めつけて、勝手な想像をしています。

実際には田之倉は、大層気が利き、花笑のような面倒くさくて取り柄のない女でも誠実につき合ってくれる、理想の彼氏だったわけです。
最初のイメージだけで田之倉を遠ざけていたら、花笑はいまだに年齢=彼氏いない歴だったことでしょう

心理学で、「予測の自己実現」というのがあります。はじめに「あの人はきっと意地悪な人だ」と思っていると、相手が何をしても意地悪だと捉えてしまいます。逆に、いいイメージを持っていると、何があってもポジティブに捉えるのだそうです。
つまり他人との壁は、自分自身が作っているのです。なので、よく知らない他人を排除するのはデメリット以外の何ものでもありません

花笑も、それまで「こんな人はあり得ない」「あんな人はダメ」と勝手に想像して決めつけて、男性たちからの脈ありサインをことごとくスルーしてきたのでしょう。

これ、「出会いがない!」「結婚したい!」と言っている女性たち、胸に覚えがある人、多いのでは……? あいたたたごめんなさい!!

花笑は、田之倉をよく知りもしないのに「イヤなヤツ」と決めつけていました。接点がなかったらそのまま避けて通っていたかもしれません。田之倉といい感じになっても、一回りも年がちがう男の子となんて「ないないない! あり得ない!」とめいっぱい否定。これじゃあ彼氏なんかできないでしょう! 
花笑に春がやって来たのは、田之倉の猛プッシュのおかげです。ぐだぐだ悩んでいる花笑に、田之倉はこれでもかと畳みかけます。

「一緒に(大学に)来てくださいよ、その後お昼食べましょ」
「オレたちつき合うんだよね」
「…まぁどっちにしろいいですよね? つき合うってことで」
「でもとりあえず昼は一緒に食べましょ」
「(大学の友だちに向かって)リカとは別れた。今はこの人(花笑)に片想い中」
「土日どこかに行きません?」
「オレ、メガネしてない青石さんの方が好きです」

とまあ、2人一緒に朝帰りした午後にはこれだけの脈ありサインをガンガン出してきます。
ただ、リアルでこれだけ押してくる男性ってあんまりいないと思います。
だけどその小さな「脈あり」に気づくことができるかどうかは……人を仕分けして勝手に見下さない、ニュートラルな気持ち次第なのかもしれないですよ。

■まとめ

「脈ありサインをキャッチするには、人を勝手なイメージで決めつけない!」

「この人はきっとこんな人」「きっとこんなときはああするに違いない」という他人への決めつけは、人生の可能性を閉ざしてしまいます。人に対して先入観を持たないことは、脈ありのチャンスをつかむ秘訣かもしれません。

(文・イラスト/和久井香菜子)

★次回の『少女マンガに学ぶ脈あり脈なし』は7月26日(火)掲載予定です、お楽しみに!

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