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第26話 こわくてさみしい

絵里香ちゃんには怒って見せながら、
わたしは心の底から恐怖を感じていた。
心臓が高鳴り、喉はカラカラだった。
動揺しすぎだと思われたらいけないので、
わざと怒ったフリをしてるのだけれど……。

「はーい。ごめんなさーい」
口をとがらせた絵里香ちゃんは、
やっと話題を変えてくれて、わたしはホッとした。

その夜、美術館デートを見られたことを、
孝太郎さんに告げるかどうか、とても迷った。
わたしはLINEの画面を長い間見つめ
……やはり、言わないことにした。
「しばらく会えないね」と言われたくない。

でももし、他の会社の人にも、見られていたら。
わたしは頭痛がするほど悩みながらも、
でもその週は結局、相談できなかった。

そして土曜の夕方近く、姉から携帯がかかった。
「ごめん、ひより。明日香が熱があるって。
わたしの代わりに保育園にお迎え行って!」

「いいよ」と答えながら内心不満だった。
そこに新しい出会いがあるとは、知らなかったから。

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